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赤なら軍隊、黒なら免除… タイ徴兵制、くじ引き明暗 家族や恋人一喜一憂

 徴兵制を敷くタイで、兵役に就くかどうかを決める今年のくじ引きが12日、終了した。毎年4月に若い男性を対象に全国各地で行われる恒例の行事で、タイ独特の選抜方式だ。命運を握るのはまさに運。赤なら軍隊、黒なら免除―。明暗入り交じるくじ引き会場を訪れた。

 4月3日、首都バンコク郊外のタリンチャン地区。浮かない表情の若者が続々と選抜会場を訪れた。身体検査を終え、くじ引きを待つ会社員のジーラーパットさん(21)は「(兵役免除の)黒を引きたい」。恋人のワルニーさん(18)も「絶対に軍に行ってほしくない」と祈るように話した。

 タイ憲法は国民に通常2年の兵役を義務付けている。対象はその年に21歳になる男性で、勉学や病気など正当な理由があれば延期できる。虚偽申告などで兵役を逃れると3年以下の懲役刑が科せられる。ユニークなのは選抜方法がくじ引きということだ。今年のくじ引きは1~12日に行われ、赤の「当たりくじ」を引いた人や志願者ら約10万人が徴兵される。

 3日のくじ引きは全員の身体検査が終わった午後8時ごろ、始まった。会場は異様な熱気に包まれ、くじが引かれるたび、周囲の家族や恋人、やじ馬から歓喜の声や悲痛な叫び声が上がった。

 「もう泣いてしまいたいよ」。赤紙を引き、2年の兵役が決まった会社員のスタッチさん(21)は、本当に泣きだしそうだった。90人が徴兵の対象となるこの会場では50人が兵役を志願し、9人が無断欠席などで自動的に対象となったため、175枚のくじのうち赤紙は31枚、黒紙は144枚。赤を引く確率は22%だ。別の会場では赤紙を引いたショックで気絶してしまう若者もいた。

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