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孤立死道内110人 初の全道集計 7割高齢者

 道内で孤立死の問題が深刻化している。2017年に死後1週間を超えて孤立した状態で発見された人は、札幌や函館など道内32市町村で計110人に上ったことが道のまとめで分かった。このうち7割を高齢者が占め、死後1カ月以上たって発見された人も2割に達した。179全市町村のデータが出そろったのは初めて。専門家は「地域住民同士の見守りの大切さを行政が訴えていくべきだ」と指摘する。

■呼び鈴鳴らしても

 「毎日元気に買い物に出ていたのに」。昨年12月、札幌市厚別区の集合住宅で亡くなった男性=当時(80)=の近所に住む女性(77)は肩を落とす。

 異変を察知したのは、町内会費を集めに男性の自宅を訪ねた近隣住民だった。呼び鈴を鳴らしても応答がなく、相談を受けた女性が男性宅の郵便受けから少し室内に手を差し入れると、中の空気はひんやりと冷たかった。「人のいるぬくもりがなくて、もしやと思った」。事態を管理人に伝えて親族が駆けつけると、男性はすでに亡くなっていた。死因は虚血性心疾患。死後9日ほどたっていた。

■3日に1人ペース

 道は孤立死を「死後1週間を超えて孤立した状態で発見されること」と定義する。全道状況把握のため、13年分から市町村に報告を求め、17年分の報告で初めて全179自治体のデータが集まった。

 17年に道内で確認された110人のうち、男性は77人、女性は33人。65歳以上は74人に上った。32市町村の内訳は非公表。生活保護や介護などの公的制度を利用しておらず、行政の目が届きにくい状況だった人は40人だった。

 発見までの期間は「8~14日」が44人と最多。1カ月以上も25人に上り、このうち5カ月以上は3人だった。異変に気づいた人(複数回答)は近隣住民が25件、市町村職員が21件、家族・親戚が18件。ガス料金の集金担当者や、新聞販売店などの業者が気づく例もあった。

 約3日に1人が孤立死しており、道は「これだけの人が、1週間を超えて誰にも見つけられずに亡くなった。少しでも減らす努力をしなくてはならない」(地域福祉課)とする。孤立死は市町村が把握していない事例もあるとみられ、実際はさらに多いとの見方もある。

 国勢調査では15年10月現在、道内に単身で暮らす65歳以上の高齢者は約32万人で、10年前に比べ1・5倍に増えた。今後、高齢者の単身世帯が増えれば孤独死の危険性も高まる。

■「地域で見守って」

 孤立死防止に向け、NPO法人シーズネット(札幌)が運営する「北海道孤立防止ネットワークセンター」は町内会などを対象に出前講座を開き、「ポストに新聞や郵便物がたまっている」など、異変を察知するためのポイントなどを伝えている。渡辺一栄(かずえ)センター長は「日ごろからさりげなく、地域で見守り合うことが防止につながる。高齢者が周囲に助けを求めやすい環境をつくることも大切」と話す。(本郷由美子、尾張めぐみ)

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