PR
PR

<訪問>「サラリーマンの力」を書いた著者 亀渕昭信(かめぶち・あきのぶ)さん

嫌な上司 分析し操縦しよう

 新年度を迎え心機一転。会社員のなかには新しい仕事に胸を膨らませる人がいる一方、そりの合わない上司や同僚に囲まれうつうつとする人もいるだろう。そんなあなたに亀渕さんはひと言。「会社を辞めちゃダメだよ」

 アルバイトから社長までニッポン放送で44年勤務し、サラリーマンの酸いも甘いもかみ分ける。「嫌な上司はどこに行っても必ずいるんです」。逃げ道は幾つかある。端的には退職することだが、転職先でも人間関係の煩わしさはつきまとう。

 ではどうしたら? 「悪い上司をいい上司にするのさ」。たまには食事に付き合い、良いところを見つける。「上司だって小学校から嫌なやつじゃないはず。家庭の顔だってあるだろう。職場の重圧で性格がゆがんだかもしれない。何が上司をそうさせているのか、分析してみよう」

 人気の深夜放送「オールナイトニッポン」で1969年から4年間、DJを務めた。カメの愛称と軽妙なトークで人気を博し毎週、2万枚ものはがきがリスナーから届いた。フリーへの誘いもあったが「僕はまじめなサラリーマンを目指すことにしたのです」と言う。放送局の司令塔「編成」を手掛けるためだ。

 編成の主な仕事は番組の流れを整えること。時間帯に合ったプログラムにするために、例えば“主婦タイム”と呼ばれる午前中はテレビの人気司会者をパーソナリティーに起用。深夜帯では笑福亭鶴光さんや中島みゆきさんの番組制作にも関わった。

 長年愛用している黒革の手帳がある。「人の心、情に強烈に訴えるプログラム」「ほかのメディアと差別化されたプログラムを作る」…。ページを開くと「編成の理念」がびっしり。しかしこの手帳、かなりくたびれている。「新しいものより古いもの、ボロボロが好きなの」と人なつこい笑顔を浮かべる。

 社長時代は、ホリエモンこと堀江貴文さんが率いたライブドアによる買収への対応に腐心した。一線を退いた後は、フリーのラジオDJとして活躍している。現在76歳。「定年後の生活は、会社勤めをしている間に培われる」と言う。「ベランダにヘチマを植えたら、ヘチマの権威になるかもしれない。そういうきっかけを40、50代でつかめるといいね」

 空知管内由仁町出身。ベニヤ板工場を営んでいた実家が東京支社を開設するのに伴い、3歳の時に両親と上京した。「由仁ふるさと大使」の名刺を持ち歩いているが、たまにしか使うチャンスがなく、深く反省しているという。

東京報道 上田貴子

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る