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<ボールパーク 北広島へ>中 札幌市と球団の溝深く

 「ぜひ皆さんでDVDや資料を見ていただけないか」。プロ野球北海道日本ハムのボールパーク(BP)構想を巡る誘致交渉を担った札幌市の吉岡亨副市長は、球団との最後の実務者協議となった23日を前に、複数の球団幹部に電話をかけ、面会を求めた。

 DVDや資料には秋元克広市長が19日の市議会で、「都市にはプロ野球球団がぜひ必要だ」と、道立真駒内公園を活用する案の実現に向けて14分間、熱弁を振るった姿が収められている。それを日本ハム側の幹部に見てもらい、関係を少しでも修復する作戦だった。

 しかし、球団幹部との日程調整はつかなかった。資料やDVDは23日の協議の場で渡したが、球団の前沢賢事業統轄本部長は「ありがたいが、(提案締め切りの)2月末までにお話をしてほしいと伝えていましたので…」と言葉少なだった。

■ドーム運営が契機

 2年近くに及んだBPの交渉では、札幌市と球団は終始、ぎくしゃくしたやりとりを続けていた。

 球団は2004年に本拠地を東京から、札幌市の第三セクターが運営する札幌ドームに移転。人工芝などの設備や、改修が思うようにできないドームに不満を抱き、指定管理者制度や複数年度契約などでドームの運営を担えるよう何度も打診した。これに対し、市側は「多目的施設なので球団を特別扱いできない」と断り続け、溝ができた。

 そうした中、16年5月にBP構想が表面化。秋元市長はこの直前、球団を担当する部署を従来のスポーツ局から、まちづくり政策局に変え、関係修復を試みようとした。しかし、札幌ドーム残留の働きかけに時間を割いたため、誘致の提案では北広島市に大きく後れを取ることとなった。

 札幌市幹部は「北広島市の財政支援や土地などの条件を上回れない。厳しい交渉だった」と振り返る。真駒内案は、公園内の老朽化した施設を民間資金で建て替えてほしい道とも利害が一致するため、昨年秋から年明けにかけて「切り札」として浮上。日本ハムの親会社の役員には、これまでの札幌市との関係を重視し札幌残留を望む意見もあった。ところが一部住民から反対運動が起き、日本ハム側の態度は一転して慎重となった。

 経済界の後押しも弱く、札幌青年会議所による賛成の署名活動以外に目立った動きはなかった。

 「誘致合戦はもうコールド負けだ」。2月上旬、札幌圏の市町村職員が集まる会合で、札幌市幹部が北広島市幹部に語った冗談が広まり、それを聞いた球団側は「札幌市にはやる気がないのか」と不信感を強めた。

■関係再構築課題に

 札幌市の関係部署には連日、反対、賛成双方の市民から電話が殺到。要求を次々突き付ける球団に違和感を覚える職員から「いっそ北広島へ出て行ってもらった方が良い」との声も出始めていた。

 球団の前沢本部長は「札幌市や札幌ドームが悪いということでなく、心を動かすことができなかったわれわれのやり方にも反省がある」と振り返る。

 BP建設候補地は北広島に決まったが、23年の開業までは球団の本拠地は札幌ドームだ。新球場になってからも札幌のファンの足の確保など両者と北広島市の協力が必要な課題は多い。秋元市長は28日の記者会見で「今回のことで人間関係を壊すつもりはない」と球団との関係を重視する考えをみせた。

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