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雪布団の下に眠る身代わり球根

雪布団の下に眠る身代わり球根

 「草むしり、楽しいよ」とメロン農家のおじさんが言った。5年ほど前のこと。10メートル、いや20メートル先までびっしりと大きな葉が地面を覆うビニールハウス。取材の間も頭部が熱くなる夏の日に聞いた一言に「こんな場所で、あんなにだ~っと奥まで続くハウスでの草むしりが楽しいんですか?」と過剰に反応した。「うん、楽しいよ」とおじさんは膝を曲げてちょいちょいっと草をむしって「ほらね」とにっこり笑った。本来ならそこから農業従事者としての思いをうかがえたはずなのに、作業として仕方なくやるものと思いこんでいたことが覆されて動揺してしまった。

 草むしりは本当に楽しいのかな?と、ふと思い出していた。そもそもわたしは観葉植物ですらまともに育てられず、何度もだめにしてきた。ガーデニングが流行っても庭のある暮らしを夢みることはなかったし、まして草むしりなんてめんどうな時間泥棒だとしか思えなかった。

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