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<「安倍改憲」を問う 論憲考憲2018>中 「自衛隊明記」議論尽くす 保岡興治さん=自民党憲法改正推進本部特別顧問

 ――戦後70年余り行われなかった憲法改正が、現実味を帯びています。

 「平和主義、基本的人権の尊重、国民主権という憲法の基本原理は戦後、日本という国に見事に溶け込みました。一方で、行き過ぎた自己中心主義や『平和ぼけ』への批判もあります。良くも悪くも憲法の理念通りにつくられた国のありようを不断に見直し、より高度な理念に沿った規律を自らに課す作業が憲法改正です。社会全体がもっと強い関心を持ち、話し合う必要があると思ってきました」

 ――自民党の議論では改憲派が本丸とする9条改正を視野に入れています。

 「戦後日本は『戦争は一切嫌だ』という旗を掲げ、自衛隊もいわば『日陰』の存在でした。しかし自衛隊は今や、その規律と精神、災害救助と国際貢献が世界から評価され、国民の信頼も得ています。敗戦から今日に至るまで平和国家として繁栄を遂げた日本の歩みを象徴する自衛隊を憲法に明記することは、日本が将来も平和愛好国であり続けると内外に知らしめる意義があります」

 ――自衛隊が憲法に明記されたら集団的自衛権の行使範囲が拡大しませんか。

 「そうした疑念を持たれないため、何のための自衛隊かを条文で明確にする必要があります。『国を防衛する』といった目的と、そのための『必要最小限度の実力組織』との位置づけは日本の平和主義の基礎であり、それをわかりやすく書くべきです。9条1、2項を維持するとした昨年5月の首相(党総裁)の提起は、9条改正の実現にはこれしかないという案です。当時、党憲法改正推進本部長だった私は具体的な改憲案の検討に入ろうとしていたので、非常に時宜を得た、ありがたい提案でした」

 ――党内に2項削除を推す意見も根強くあります。

 「『普通の国の軍隊』を持つことを意味する2項削除は防衛論としては筋が通っています。しかし改憲は国会で発議した上で、国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。国民の気持ちに寄り添い、改正の趣旨に共感してもらう必要があります」

 ――発議は与野党合意が前提ですか。

 「衆参両院の憲法審査会の前身の憲法調査会で衆院側の初代会長を務めた中山太郎先生(元自民党衆院議員)は、党派を問わず平等に発言できる『中山ルール』で与野党協調を尊重しました。この精神を生かし、知恵と工夫を働かせて粘り強く合意形成を目指すべきです。最後は数で決するという現実も踏まえつつ、国民に『なるほど』と納得してもらえるように議論を尽くす必要があります」(聞き手・東京報道 西依一憲)

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