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<檜山ナマコ 目指せ世界一>上 中国人絶賛、ブランド化

 昨年暮れから正月にかけ、新千歳空港ターミナルビルの海産物の土産物店に「檜山海参(ハイシェン)」が並んだ。海参は中国語でナマコを指す。乾燥させてあり、価格は1箱80グラム入り4万8千円、200グラム入り9万8千円など。道産の他産地の2倍の値段だが、用意した24箱は10日ほどで売り切れた。

 買ったのは全て中国人。ナマコは中国で高級食材として知られ、中国人たちは「これほど良いナマコは見たことがない」と興奮して買い求めた。応対した道漁連のグループ会社「ぎょれん販売」千歳空港支店の清水猛課長(40)は「中国人客が価格を気にする様子はなかった」と檜山海参の吸引力を振り返る。

■肉厚で形良し

 檜山海参は檜山管内産ナマコの新ブランド。今冬、ひやま漁協(乙部町)の乙部支所ナマコ協議会と江差ナマコ協議会(江差町)販売促進部が立ち上げた。新千歳での販売は、漁師たちがぎょれん販売の札幌の本社で直談判して実現した。

 道水産林務部の生産統計によると、道内のナマコの水揚げは2016年で2143トン。うち檜山産(渡島管内八雲町熊石を含む)は100トン。多くは道内の加工業者に出荷され、他産地と一緒くたに「北海道産」として中国に輸出される。

 ブランド化の訳は、肉厚で表面の突起(イボ)が大きい檜山産ナマコの特徴にある。中国で最も好まれる形状で、ナマコの流通に詳しい一橋大大学院社会学研究科の赤嶺淳教授(50)=食生活誌学=は「中国人の嗜好(しこう)と一致する」と話す。

■潜水漁で高値

 檜山産ナマコの品質の高さは料理の世界で既に浸透している。東京・赤坂の中国料理店「トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)」のシェフ脇屋友詞さん(59)=札幌出身=は檜山産ナマコをタケノコやシイタケと煮込んだ一品を特別コースで提供する。ナマコは箸で切れる軟らかさで、食感はプルプル。脇屋さんは「肉質が良くうま味がある。何よりも中国人が認めている」と絶賛する。

 ひやま漁協のナマコは潜水漁が主流。他産地は海底に沈めた金属チェーン付きの網で剥がし取る桁網漁が多いが、潜水して手で捕ることで傷が付きにくく、商品価値が跳ね上がる。特に形やサイズの良いものが「檜山海参」として出荷される。

 漁期は2~6月。江差支所ナマコ潜水部会の中村広之さん(34)は、今季の初水揚げを終え「今年も品質はいい」と話す。乙部支所ナマコ協議会の工藤智司会長(57)は「檜山産の良さを伝えたい」と意気込む。

 日本海に面した檜山の沿岸漁業はイカなど主要魚種の漁獲が低迷し、厳しい漁業経営が続く。ナマコへの期待が高まっている。(江差支局の西野目明人が担当し、2回連載します)

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