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1次リーグ 韓国戦 第10エンドの攻防

 【2月15日 カーリング女子1次リーグ 日本対韓国】
 LS北見の日本は第7エンドを終えて3―5とリードされたが、4点を連取して7―5で勝ち、開幕3連勝とした。

 6−5と日本リードで迎えた第10エンド、両チームがそれぞれ残り1投を残した最終局面の戦略を、北海道大学大学院の山本雅人教授と、山本研究室のカーリング戦略AI「じりつくん」が分析した。



【第10エンド。先行・日本(黄色)、後攻・韓国(赤)。残り1投ずつ】

 この局面で日本(黄色)が仮に何もしなかった(パスした)場合、韓国(赤色)の戦略は大別して下図(A)(B)(C)の3つあります。

 「じりつくん」は、(A)(B)(C)それぞれの成功率(韓国側の勝率)を次のように見積もりました。

 (A) 85% (B)10%以下 (C)45%
 
 これを踏まえると、先攻である日本が次にストーンを置く位置の候補は、以下(1)(2)(3)の3通りとなります。

 中継を見ていると、ここでLS北見も上記(1)(2)(3)の3つの戦略を候補として考えているのがうかがえました。
 それぞれのメリット・デメリットを整理します。

(1) 韓国に(B)と(C)の戦略をとられる可能性はあるものの、(B)=10%以下=も、(C)=45%=も成功率は高くない

(2) 韓国が簡単に(A)の戦略を取ることができ、LS北見は相当な確率(85%)で負ける

(3) ハウス中央にあるLS北見の2個のストーンが近すぎると、韓国にダブルテイクアウトされて負ける。もしくは、少しでも置く位置がずれると、No.1ストーンを簡単に出されて負ける

 LS北見の相談の中では、韓国にハウス中央のNo.2ストーンの赤から黄を狙わせる(B)をさせても良いのでは?という意見があったように見られました。相談の最後で藤澤選手は、韓国に(C)はさせても良いが、(B)の方が危険ではないか−という意見のようでした。

 結局、日本の投球によって(1)と(2)の中間的な局面となり、韓国には(C)のガードストーンから狙う戦略を取らせることになりました。


 前述したよう、韓国にとって(C)は成功率45%程度という難しいショットであり、実際に失敗しました。結果、LS北見は見事スチール(先攻で得点を得ること)に成功、勝利しました。

 ちなみに、「じりつくん」が選んだLS北見の最善手は、以下のようにハウスの中央のストーンに付けるショットでした(下記左図)。

 ただし、このショットには課題もありそうです。韓国にとって、右図のように赤ストーンからハウス中央の2つの黄色ストーンを狙うというショットがやさしそうにも見えるのです。「じりつくん」は、このショットの難易度をうまく見積もれていないようにも思えます。

 また、少しでもずれると真ん中のストーンを狙われるので、実戦では選びづらい手だとも思います。

 結果として、LS北見の取った戦略は、韓国に難しいショットしか選択肢を与えない、とても良い戦略だったように思えます。


山本雅人(やまもと・まさひと)教授 1968年、札幌出身。札幌旭丘高、北海道大学工学部情報工学科卒。同大学院工学研究科システム情報工学専攻博士後期課程修了。バックギャモン(西洋すごろく)のジャパンオープン、日本選手権などで優勝経験あり。自身もカーリングチーム「Backgammon」でプレーする。


じりつくん 山本研究室(自律系工学研究室)で開発中のカーリング戦略AI。AI同士を戦わせることで、100万の局面を学習している。ある局面について、想定される数万ショットの中から最善手を選ぶ。スイーピングやアイス状況の変化という要素はないものの、期待得点計算やリスク計算などにより、戦略面で実戦の参考になるように開発を目指している。

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