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「主体的学び」広がるか 自ら課題解決考える力重視 指導や授業準備に時間 高校学習指導要領改定案

 文部科学省が14日に公表した高校の次期学習指導要領案は、全科目で「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を盛り込んだ。討論や発表を通じて生徒自ら課題を見つけて解決させる手法で、道内でも一部の学校で既に実践されている。考える力の醸成などが期待されるが、授業を準備する教員の負担増も予想される。指導方法や狙いも詳述したために、教育現場の多様性が失われるとの指摘も出ている。


 「貧困国では教育が受けられず、負の連鎖が起きている」「18歳になったら選挙に行きたい?」。8日の札幌啓成高「学術祭」。1・2年生約640人が体育館に人垣をつくり、30テーマの研究結果を発表し、互いに質疑応答を重ねた。5年前から実施している同校のアクティブ・ラーニングの取り組みだ。自分で見つけた疑問を調べ、論理的に説明する。水保全の方法を調べた2年の斉藤実咲さん(17)は「課題を自分で考え、話し合いをした経験は将来役立つ」と手応えを語った。

 アクティブ・ラーニングは自ら課題を設け、学んだ知識を横断的に活用して解決策を考える過程を重視している。知識だけでなく、社会に求められる思考力を育てるために導入された。

 担当した村中幸一教諭は「生徒が主体的に学んでくれている。外部と交流することで客観的な評価も学べる」と期待する。

 ただ発表にこぎつけるまでには、週1回の総合的な学習の時間などを約50時間費やした。こうした授業がすべての高校で実現できるかは不透明で、道央の高校のベテラン教員は「課題を見つけ、発表するには時間がかかる。全科目一律の導入は難しい」と指摘する。

 また、新しい指導方法を現場の教員に丁寧に伝えるために、本来は最低限の学習内容を伝える大綱的な意味合いの指導要領の分量は1・5倍になった。



 文科省は「団塊世代教員の退職で指導経験が継承されにくくなっており、若手教員のための措置」と説明。しかし、法的拘束力も持つ指導要領が教育の中身や方法について詳述することで、教育現場を縛ることにつながるとの指摘もある。

 名古屋大大学院の中嶋哲彦教授(教育行政学)は「教員がこれまで各自で工夫して授業してきた現場の裁量が失われてしまうのではないか」と危惧する。(報道センター 野呂有里)

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