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「森友」国会論戦 佐川氏招致が不可欠だ

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 学校法人「森友学園」への国有地売却問題に絡んで、財務省が新たな文書を公表した。事前の価格交渉が疑われる内容である。

 昨年の国会で政府は価格交渉自体を否定。当時の佐川宣寿理財局長は、学園との交渉記録も「廃棄した」と説明してきた。

 その根拠が揺らいでいる。野党が証人喚問を求めるのは当然だ。

 佐川氏は現在、国税庁長官である。確定申告の開始を前に、徴税業務トップの国会答弁に不信の目が向けられていることを、政府は重く受け止めなければならない。

 対応が適正だったと主張するのなら、喚問や参考人招致に応じ、疑念の払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。

 公表された20件の文書は2013年から15年にかけ、学園への国有地売却に向けた賃借契約について、財務省内の検討の経緯を記している。情報公開請求により先月公表された5件に続く文書だ。

 政府は、一連の文書は財務省内部の検討資料で「学園との交渉記録にはあたらない」と説明する。

 だが売却を前提とした借地契約自体、近年ほかに例のない特異な手法だ。文書には学園側の要望も具体的に記されている。政府内部の記録と片付けられるだろうか。

 これらの文書は、会計検査院が昨年行った調査に反映されていない。首相が「全面的な協力」を約束した調査になぜ提供されなかったのか、国会で精査が必要だ。

 政府・与党が現職の理財局長の答弁でこと足れりとしているのにも首をかしげる。検査院が調査を開始した当時の局長は佐川氏だ。本人に経緯をただすしかない。

 共同通信社の最新の世論調査でも佐川氏を国会招致するべきだとの回答が66%に上った。政府・与党は真摯(しんし)に対応するべきだ。

 腑(ふ)に落ちないのは、この問題に対する首相の姿勢である。

 きのうの衆院予算委では、佐川氏の人事について麻生太郎財務相に答弁させ、自らは「財務相から答弁した通りだ」と述べるにとどまった。

 先月の衆院代表質問では「適材適所」と明言した。予算委でも自らの言葉で語るべきではないか。

 首相は、もう一つの焦点である妻昭恵氏と学園との関わりについても正面から答えようとせず、質問をはぐらかす場面が目立つ。

 世論調査では昭恵氏について、記者会見や国会での説明が「必要」とする回答が63%を占めた。

 全容解明には首相が指導力を発揮するしかない。「丁寧な説明」という約束を忘れてはならない。

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