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高梨「銅」 「弱い自分」克服

 「日本には帰りたくない」。2014年ソチ冬季五輪で4位に終わった翌日。高梨沙羅は父寛也さん(50)、母千景さん(50)に漏らした。周囲の期待を裏切ってしまったことへの罪悪感。圧倒的な強さとは裏腹に弱々しさも同居していた当時17歳の少女は、4年間かけて生まれ変わった。

 ソチの残像と戦い続けた。台の踏み切り後に体が動かなくなり、地面にたたきつけられる―。何度も見た夢。そのたび言葉にならない声を発し、飛び起きた。

 「メンタルが弱い」。そう認めることから平昌への歩みは始まった。「弱い自分」との決別だ。磨いたのは人間力。一日の最後に風呂などで30分、自分と向き合う時間をつくった。1人で食事に出かけるようになったのも、化粧や服装に気を使うようになったのも視野を広げるため。「すべてジャンプのためです」

 緊張から食事ものどを通らなかったソチから4年、平昌では「食事が一番の楽しみ」と笑う高梨がいた。「根暗でマイナス思考」と評していた自分は今、「少しは明るくプラス思考になれたかな」と笑う。

 最近もまだソチの夢を見る。ただ自分は、以前と異なり、ジャンプ台横のコーチボックスで第三者的に「高梨沙羅」を見ている。「自分を客観的に見られるようになってきた証拠かな」。嫌な夢ではなくなった。

 「ずっとソチの自分を見返したかった」。メダルと引き換えに、「弱い沙羅」とサヨナラした。(運動部 須貝剛)

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