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無期転換ルール 雇い止めは許されない

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 相変わらず非正規労働者を、単なる雇用の調整弁とみなしているのだろうか。

 契約社員やパートなど有期雇用で働く人が、企業から契約を打ち切られる「雇い止め」が、またも問題化している。

 通算5年以上同じ企業で働く人が無期雇用への転換を申し込めば、企業は拒めない「無期転換ルール」の適用が、4月から本格的に始まるからだ。

 新ルールは、2008年のリーマン・ショックで雇い止めが続出したことを受け、13年施行の改正労働契約法で決まった。

 法の趣旨に反する雇い止めは、到底許されない。企業は、有期雇用労働者と誠実に向き合い、その希望を尊重するべきだ。

 有期雇用で働く人は1500万人おり、うち3割は既に契約期間が通算5年を超えている。

 こうした労働者の雇用安定が求められるにもかかわらず、雇い止めが広がっている。

 全国私立学校教職員組合連合によると、17都府県の有期雇用教員204人が3月末での雇い止め通告を受けた。これは氷山の一角にすぎないだろう。

 厚生労働省の調査では、自動車メーカー7社が、無期への切り替えを避ける措置をとっていた。

 再契約までに6カ月以上の契約空白期間を置けば、それ以前は無期転換につながる雇用期間として算定されない規定を利用した。

 政府は、こうした「抜け道」をふさぐ法改正を検討すべきだ。

 個人加盟労組の連合会が先月行った電話相談では、既に雇い止めされたり、近くされそうな人が相談者の7割に上った。

 気がかりなのは、無期転換ルールが十分知られていないことだ。

 連合の調査によれば、企業の9割は新ルールを知っている半面、有期雇用労働者の8割が内容を理解していなかった。

 企業と政府は、周知徹底を図らなければならない。

 一方、道内を含めて無期転換に積極的な企業もある。

 道内の有効求人倍率は1・18倍と95カ月連続で前年同月を上回り人手不足は深刻だ。無期雇用にすれば、人材確保はもちろん、社員の能力向上にもつながろう。

 新ルールは給与など待遇改善までは求めていない。連合の調査では、有期雇用労働者の半数が無期化だけでは不十分と答えている。

 むしろ企業は、無期雇用への転換を人材確保の好機ととらえ、待遇改善に努めてほしい。

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