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議論加速へ一定判断 道、7路線維持目指す「報告書」公表

 道は10日、道内鉄道網の在り方に関する「鉄道ネットワークワーキングチーム・フォローアップ会議」の報告書を公表した。宗谷線や石北線など7路線8区間の維持を目指す一方、留萌線などは代替交通も含めた検討を求めた。道として一定の判断を示したことで、沿線各地であるべき公共交通の議論を加速させ、国からの支援につなげたい考えだ。

 報告書は、JR北海道が「単独では維持困難」とした9路線12区間について、幹線交通や観光、物流などの特性を示した上で、実質的に路線維持の「優先度」に応じて五つのグループに分けた=地図=。

 宗谷線、石北線は幹線交通として維持に向けた検討を求めたほか、花咲線や釧網線、富良野線は維持に「最大限」努めるとし、根室線(滝川―富良野)や室蘭線、日高線(苫小牧―鵡川)も維持に努めるとした。

 これに対し、根室線(富良野―新得)、留萌線、日高線(鵡川―様似)は代替交通を含めた地域での協議を進めることが適当とし、札沼線はバス転換も視野に入れた検討を求めた。

 フォローアップ会議の委員でもあるJRの小山俊幸専務は10日の会合で「示された方向性を踏まえて、持続可能な交通体系の確立に向け、国、道、関係市町村と一体となって取り組みたい」と、報告書の趣旨に沿って路線見直しの地元協議を進める考えを強調した。

 道はこれまで「個別の路線の存廃は判断しない」姿勢だったが、JRが2016年11月に維持困難路線を発表してから1年以上が経過しても、JRと沿線自治体との協議は停滞。JRの安全対策を助言する第三者委員会「JR北海道再生推進会議」有志が道の指導力不足を指摘する声明文を出し、沿線などからも「まずは道が全体像を示すべきだ」などの声が相次いだため、一転して、踏み込んだ判断を示すことになった。

 ただ、10日の会合で、フォローアップ会議座長の岸邦宏・北大大学院准教授は「鉄道の重要性を優先順位という言葉でまとめるべきではない。議論の結果を『勝ち負け』や『地方の切り捨て』と考えるべきではない」とくぎを刺した。

 道の報告書によって鉄路の存廃が決まるわけではなく、今後のJRと沿線などとの協議の土台として活用される見通し。しかし、一部自治体からは路線の分類への反発や、財政負担を懸念する声が既に出ている。協議が難航する可能性もあり、報告書をまとめた「責任者」として、道が調整力を発揮できるかが今後の焦点となる。それと並行し、道は報告書を前提として国やJRと協議し、夏までにJRへの公的支援の枠組みを固める方針。沿線での議論も同時期までに一定の方向性を出したい考えだ。

 10日の会合には高橋はるみ知事も出席した。「各沿線の検討・協議を市長会、町村会と連携し、加速させなければいけない」と述べたものの、これからの道の具体的な役割には言及しなかった。

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