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【回答者 今井明日香弁護士】交際相手と別れた後、贈り物代の返却必要?

質問 結婚を前提に交際している男性がいましたが、先日、別れてしまいました。その後、男性から「結婚しないなら、今までのプレゼントの代金を返してほしい。婚約指輪だけで100万円もした」と言われるようになり、困っています。

回答 結婚を前提とした交際だったということですが、まずは、「婚約」までしていたといえるお付き合いだったのか、あるいは、そこまではいかないかを考えます。

 当事者が、将来、たしかに結婚することを誠実に約束していた場合には、「婚約」が成立していたといえます。判例では、婚約の成立に、結納のような儀式までは必要ないとされています。しかし、実際には、約束が不明確であったり、お互いの言い分が異なったりすることも多く、婚約の成否の判断においては、結納、結婚準備のための同棲(どうせい)、結婚式の案内状の発送など、婚約していたことが推測されるような外形的な事実があるかないかが重要となります。

 今回の件は、婚約指輪を購入しているとのことですから、その他の事情にもよりますが、「婚約」が成立している可能性があると思います。

 婚約が成立している場合、正当な理由なく婚約を破棄された側は、相手方に対して、婚約破棄による財産的、精神的な損害の賠償を請求することができます。

 今回、問題となっている婚約指輪の代金は損害賠償の対象になり得るものであり、正当な理由なく婚約を破棄したのであれば、賠償しなければならない可能性が高いといえます。しかし、婚約前のプレゼントや、婚約後であっても結婚の約束とは無関係のプレゼントの代金のように、婚約破棄による損害とは言い難いものについては、賠償する必要はないでしょう。

 そもそも婚約が成立していない場合や、婚約破棄に正当な理由がある場合には、相手方の要求に応じる必要はありません。もっとも、煩わしいやりとりを終了させるために、プレゼントそのものは返してしまうのも一つの手段かもしれません。なお、婚約破棄の正当な理由について、性格や価値観の不一致だけでは、正当な理由があると認められるのはなかなか難しいことが多いです。

(いまい・あすか)

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