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新幹線札幌駅ホーム問題、年度内決着へ溝深く

 本年度内の決着を目指す北海道新幹線札幌駅のホーム位置問題を巡る、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR北海道の協議に依然歩み寄りが見られない。複数の関係者によると、現札幌駅併設の「現駅案」を主張する機構は、在来線への影響を設備増強で回避する検討を加速させている。一方、現駅東側に造る「東側案」を推すJRは、工費圧縮へ従来案よりさらに東にホームを造る「大東(おおひがし)案」を検討している。両者の隔たりは大きく、年度内に妥協点を見いだせるかは不透明だ。
「現駅案」の機構 在来線支障回避へ前進
「東側案」のJR 工費を圧縮「大東案」も

 機構とJRに加え、道と札幌市を含む4者は一昨年10月の協議で現駅案と東側案に絞り込み、検討に着手。昨年9月には駅地下にホームを造る「地下案」が浮上したが、多額の工事費が重荷となり同12月に断念、現駅案と東側案の2案を再び検討してきた。駅ホームの建設費は現駅案が450億円超、東側案は現駅案を数百億円上回るとされる。

 現駅案の課題は、新幹線の乗り入れで使えるホームが減り、在来線の運行に支障が出ることだった。現在、機構を中心に新たな設備工事を軸に検討を進めており、一時23本とされた乗り入れ困難な本数は「解消できるめどが立ちつつある」(関係者)という。

 ただ、政府が20年にも実現を求めている新千歳空港と札幌を結ぶ快速エアポートの増発に対応できるかは不明。現駅構内で在来線を通常通り運行しながら、改修工事を行うのも容易ではない。

 一方、東側案はJRタワー周辺の改修工事が必要で、現駅案に比べ工費が膨らむのが最大のネックとなってきた。JRが検討を始めた大東案は、現駅より約200~300メートル東にホームを造る構想で、創成川を東西にまたぐ形になる。JRタワーの大規模改修は不要になり、現駅案の建設費に近づけることができるという。

 大東案は、2年前にJRが提案したものの在来線への距離が遠いため、検討対象から外されていた。JRは、4者の合意後、都心部と札樽道を結ぶ「都心アクセス道路」構想やバスターミナルの再整備など、周辺の大型案件が具体化しつつあり、2年前とは状況が変わったと判断。新幹線ホーム建設を一帯の再開発の活性化にもつなげたい考えだが、一度消えた案だけに、機構や道、市の理解を得られるかは未知数だ。

 機構とJRは近く、道と市に検討経過を伝える方針。今後は、建設費を負担する道と市の判断が焦点になる。

 1年以上歩み寄りが見られない駅ホーム問題の決着には「高度な政治決着しかないのではないか」との声も出ている。

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