PR
PR

スピードスケート郷選手、30歳で初五輪 押してもらった背中、今たくましく

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪スピードスケート代表の郷亜里砂(ごうありさ)選手=根室管内別海町出身=が30歳で初めて挑む五輪の舞台を心待ちにしている。成績が上がらず何度も引退を考えた。その度に家族や恩師から背中を押された。全国の所属先を転々としながら競技を続け、努力はついに花開いた。「もっと速くなりたい」。遅咲きスケーターの向上心は尽きない。

■引退何度も考えた

 19、20日に長野市で開かれた五輪代表壮行記録会。郷選手は初日の500メートルを38秒36で1位。五輪に向けたハードな練習中で記録は振るわなかったが、レース後は笑顔で声援に応えた。

 ホテルを営む実家の目の前の小さなリンクで、3歳で始めたスケート歴は27年。順風満帆ではなかった。

 親元を離れて通った強豪の白樺学園高(十勝管内芽室町)では3年生で初出場したインターハイ500メートルで4位。目立った成績が残せず、専門学校に通って次の道を探そうとパンフレットを眺めていたころ、父季良(ときよし)さん(57)から説得された。「『逃げるのか』『もう少し頑張ってみないか』と熱心に言い続けてくれた」

 身長160センチで細身。進学した山梨学院大の川上隆史監督(65)は「体格的には決して恵まれていない。その分、練習でも常に全力だった」。それでも実業団から声は掛からず、道内外を転々とする。

 卒業後、山口国体に向けて山口県の強化選手を2年間務めた。その後も、帯広市内の会社の支援でさらに2年間競技を続けたが、4年前のソチ五輪代表選考会は500メートルで5位。大舞台には届かなかった。

 「まだ追いつけるよ。応援してくれる人もいるから」。川上監督が教え子のつてで、愛媛国体を控えた愛媛県で、スポーツ専門員の道を見つけてくれた。「平昌までは頑張ってみよう」

 愛媛県内の鉄道会社の関連会社が経営するスケート場の「イヨテツスピードクラブ」に籍を置きながら、ナショナルチームに加入して練習を積んだ。ショートトラックにも打ち込んできた得意のカーブの技術に筋力が加わり、スピードアップ。4年前には39秒台だった500メートルは、昨年末の五輪代表選考会で37秒40をたたき出し、悲願を引き寄せた。

■「メダル取りたい」

 スピードスケート元五輪選手で親交が深い大菅小百合さん(37)=根室管内標津町出身=は、郷選手の変化を感じている。「昔はライバルに負けても『悔しい』と口には出さなかった。今はストレートにそれを言う。いい意味で上を目指す欲が出てきた。その気持ちが成長につながっている」

 今季のワールドカップ(W杯)500メートルは5戦で4度の表彰台。日本の短距離エース小平奈緒選手に次ぐ堂々の五輪メダル候補に浮上した。「少しずつでも頑張ってきてよかった。オリンピックでメダルを取りたい」。穏やかな笑顔で語る目標は高い。「楽しみだな」。そう心から思える夢の舞台が迫ってきた。(報道センター 玉邑哲也)

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
試合速報・結果
  • プロ野球
  • Jリーグ
  • サッカー代表
  • 大相撲
  • 甲子園
  • ゴルフ
  • 大リーグ
  • Bリーグ
スポーツ情報メガ盛り メガスポ
ページの先頭へ戻る