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雪女

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古くは江戸時代の「北越雪譜」に出てくる「女白く青ざめたる皃(かお)に黒髪をみだしかけ」た「雪中の幽霊」。「遠野物語」では、小正月の夜、大勢の童子を引き連れて現れるという▼各地の雪女を巡る伝承の中でも、広く知られているのはラフカディオ・ハーンの「怪談」ではないか。雪は白く清潔だが、時に容赦なく生命を奪う。その美しさと残酷さ、両面のイメージが物語に投影されている▼帰化して小泉八雲と名乗ったハーンは日本の雪を美しいと感じたものの、寒さが大の苦手だった。終生愛した山陰の古都、松江に滞在したのは約1年3カ月にすぎない。大雪に見舞われ、体調を崩し、後ろ髪を引かれる思いで熊本への引っ越しを決心する。もっとも、南へ移ってからも冬の厳しさには驚いたようだ▼どこに住んでいても、雪からは逃れられないらしい。今週、強烈な寒波のせいで、道内など北国はもちろん、九州を含む西日本にもかなりの雪が降った。新潟県では、普通列車が立ち往生し、多数の乗客が車中に一晩閉じ込められた▼今冬の札幌は穏やかな日が続き、申し訳ない気分になってしまう。雪雲を運ぶ風がたまたま西から吹くことが多く、手稲山系に遮られるからだ▼自然のさじ加減に文句は付けられないが、受験生の好天を望む気持ちは切実だろう。きょうから始まる大学入試センター試験が無事に済むよう願わずにいられない。2018・1・13

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