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尖閣に潜水艦 日中改善に水を差すな

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 沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を、中国海軍のフリゲート艦と潜った状態の潜水艦が航行した。

 接続水域の航行は国際法違反ではない。だが、中国が領有権を主張している尖閣の周辺で軍艦が日本の領海に接近することは、偶発的な衝突につながる恐れがあり、極めて危険な行動だ。

 日中平和友好条約締結から40周年という節目の年を迎え、ようやく改善基調にあった日中関係にも水を差す動きだ。日本政府が中国側に重大な懸念を伝え、抗議したのは当然である。

 再び緊張を高めることなく、関係改善の流れを後戻りさせないよう中国側の自制を求める。

 潜航した外国の潜水艦が尖閣周辺の接続水域で確認されたのは初めて。中国フリゲート艦の航行は2016年以来2度目となる。

 中国国防省は「正当で合法な行動」とし、日本の抗議に対し「あらゆる必要な措置を取り、領土主権を守り抜く」と反発した。

 「強国」建設を掲げ、海洋進出と軍備増強を進める習近平国家主席の下、領土を巡る立場では決して譲らない意志を示す狙いがあるとの見方もある。政府は中国側の意図の分析を急ぐ必要がある。

 最近は緊迫する北朝鮮情勢の陰に隠れる形となっているが、中国による南シナ海での軍事拠点化の動きも止まっていない。

 大国・中国が領土的な野心を強め挑発を繰り返せば、法の支配に基づく国際秩序を脅かす。

 河野太郎外相はもともと、月内の訪中を目指し調整していた。早期に実現させ、同様の行動を繰り返さぬようくぎを刺すべきだ。

 昨年、安倍晋三首相と習主席は国際会議の機会に2度首脳会談を行い、日中関係の改善推進で一致した。首相は中国の「一帯一路」構想に協力姿勢を示し、首脳の相互往来の再開も呼びかけた。

 また、東シナ海での偶発的衝突回避に向けた日中防衛当局間の「海空連絡メカニズム」も、昨年12月に大筋合意に達している。

 中国としても、ここで対日関係を振り出しに戻すような振る舞いに出ても何の利益もあるまい。

 08年に当時の胡錦濤国家主席が来日した際には、日中が体制の違いを乗り越え、世界の平和と安定に責任を負う戦略的互恵関係の推進に向け共同声明を発表した。

 声明には東シナ海を「共に努力して、平和・協力・友好の海とする」と記されている。中国はその言葉をかみしめ、協力関係に立ち戻るべきだ。

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