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「JR」3者協議 国は本格支援考える時

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 JR北海道が単独で維持困難とする10路線13区間の見直し問題を巡り、国、道、JRの3者による初の協議がきのう開かれた。

 JRと沿線自治体による路線別協議が難航しているだけに、実りある議論を重ねてほしい。

 見直し対象は路線全体の半分に上る。国鉄分割民営化以来の経営を支える仕組みが機能しなくなった現実を踏まえれば、「国が中心的な役割を担う必要がある」との道の主張は当然だろう。

 国は、地元の結論を待つ模様眺めの姿勢を改め、鉄路を含む公共交通網構築を本格支援する意思を明確に示すべきだ。

 JRは、線路などの施設を自治体が保有する上下分離方式を提案している。巨額の財政負担の発生を懸念する自治体側が、二の足を踏むのは無理もない。

 JRは、債務の7割を実質的に国が肩代わりする過疎対策事業債の活用案も挙げているが、これも評価は分かれている。

 道は国に対し、これまでのJRの経営支援の財源だった鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定の活用を要請したが、国土交通省は慎重姿勢だ。

 初回の協議では、石井啓一国交相が公的支援策について夏ごろまでに方向性を取りまとめる考えを示したことに同意したが、具体策については道とJRがそれぞれの立場を説明するにとどまった。

 道は先月、JRの経営努力を前提に財政支援する考えを表明している。これに呼応して、今度は国交省が解決に資する具体的な方策を提示することが求められる。

 路線を維持する上で、多額の費用がかかるのが線路やトンネル、橋などの構造物だ。

 これらは住民生活を支え、広域での観光客や貨物の輸送も担う。こうした機能を考えれば、公共財と言えよう。

 上下分離を検討する場合でも、JRの唯一の株主である国が率先して出資するのが筋ではないか。

 新たな発想も必要だ。たとえば、北海道開発予算に道路、空港の整備などとともに、これまで対象とされてこなかった鉄道を組み込むのも一案だろう。

 JRの赤字の背景には利用低迷がある。出張時の鉄道利用など住民側の取り組みも欠かせない。

 道は鉄道網のあり方について専門家による審議を行い、来月にも結果をまとめる方針だ。

 観光、物流など多様な機能に目を配り、市町村も納得できる将来像を示してもらいたい。

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