PR
PR

【ラグビーを見て楽しむ】大原則は陣取りゲーム ボールは前にパスできない

 「スポーツは好きだけど、ラグビーはよくわからない」―。こんなお手紙やメールをいただきました。確かにラグビーはルールがわかりにくい印象を持たれやすいようです。来年9月にはラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が開幕。札幌ドームでも2試合行われます。五輪、サッカーW杯と並ぶ「世界3大スポーツイベント」と称される大会へ向け、一足早くその世界をのぞいてみませんか。

 1チームの人数や試合時間など基本的なルールは上の図を見てもらうことにして、試合を見る際には二つの大原則を頭に入れておきましょう。

 一つ目。キーワードは「陣取り合戦」。ラグビーでよくたとえられる表現です。

 最終的には相手側のインゴール(得点エリア。上の図にも示してあります)でボールを地面に着ける「トライ」などで得点を取る球技なので、ゴールにより近い敵陣にいた方が得点機会は増え、失点のリスクが減ります。攻撃側はボールを前へ運ぼうとし、相手は身をていしてぶつかる「タックル」で止めようとします。この攻防がラグビーの基本的な仕組みです。

 攻撃側が前へ進むためには《1》ボールを抱え、相手のタックルをかわして走る《2》味方へパスでつなぐ《3》ボールを前方へ蹴る―の三つの方法があります。

 ここで大原則の二つ目。「前に出す、出る、落とすはダメ」。ラグビーはボールを前方へパスできません。違反したら反則(スローフォワード)を取られます。

 ボールを前に落としたら反則(ノックオン)。攻撃側の選手がボールより前に出てプレーしても反則(オフサイド)です。選手は常にボールより前に出ず、それでいて前進して攻めるという、実に制約の多い中でプレーします。だからこそさまざまな戦術が生み出されているとも言えるのです。

 フィールド上のプレーを見てみましょう。反則などでプレーが中断したら、主に二つの方法で再開されます。お互いの選手がひとかたまりになって押し合いボールを取る「スクラム」と、空中に投げ入れたボールを奪い合う「ラインアウト」です。

 選手が密集して「おしくらまんじゅう」のような形になることがあります。地面にあるボールが見えにくく「何やってるかわからない」となりますね。この密集状態ではボールの争奪戦、ゲームの主導権争いが行われており「ラック」と呼びます。ボールを持っている選手がタックルで倒されると、ボールを離さないといけません。フリーの状態になったボールを、互いの選手が奪い合います。攻撃側がボールを再び保持して攻撃を続けられるか、相手が奪い返して逆襲できるか。そこが見どころです。

 同じ密集でも味方同士が体を寄せ合い一つの塊になってボールを運ぶこともあります。これは「モール」と呼んでいます。

 前述したように、ボールは前方へパスできませんが蹴ることはできます。敵陣にキックすると攻撃権は相手に移る場合が多いのですが、相手ゴール近くからプレーを始められるメリットがあります。パスやキックを駆使してどう攻めるか。試合の流れを追えれば観戦の楽しさが増します。

 プレーの大枠がわかったら、選手のポジションに注目してみましょう。背番号1番から8番まではフォワード(FW)で、スクラムやラインアウトを担当。激しくぶつかる一方でボールを保持する役割が求められます。世界レベルではFWの平均体重が110キロを超える国もあるといいます。巨体という言葉がぴったりの選手たちです。

 一方、9番から15番までがバックス(BK)。総じて足が速く、パスやキックを織り交ぜながらフィールドを駆け回ります。3年前のW杯で一躍時の人となった五郎丸歩選手(ヤマハ発動機)を覚えていますか。彼は15番でフルバックと呼ばれるポジション。チームの最後尾で、相手から蹴り込まれたボールに対応します。敵陣深く蹴り返したり、トライ後のキックを担ったりすることも多く、正確なキック力も必要です。

 9番(スクラムハーフ)は、FWが確保したボールをBKに出して攻撃を進めさせる「つなぎ役」ですが、日本代表の9番、田中史朗選手(パナソニック)や流大(ながれゆたか)選手(サントリー)はともに身長166センチ。ラグビーは体格に関係なくプレーできるスポーツとも言えるのです。

 日本代表には外国人も

 ラグビーの日本代表には外国人選手も選ばれています。《1》日本で生まれた《2》両親か祖父母のうち1人が日本出身《3》日本に満3年以上継続して住んでいる《4》日本に累積10年居住している、のどれか一つの条件を満たしていれば代表資格を得ることができるためです。

 日本以外も同様で、ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」のルールで決まっています。ラグビーは国籍主義ではなく(その地域の)協会主義、あるいは所属するクラブ主義と言ってもいいでしょう。たとえ国籍が違っても、ともに代表として戦うスタイル。社会のひずみや分断を乗り越える一助として、ラグビーの精神に学べるところがあるかもしれません。

 なお、2020年末からは《3》の条件が5年以上に変わります。

 運動部編集委員の大崎哲也です
 ラグビーの国内最高峰「トップリーグ」の試合は札幌でも行われますが、道内チームがないためか、年間わずか1試合。昨年は観客も1300人余りと過去2番目に少ない数字でした。今週末は日本選手権を兼ねたトップリーグ順位決定戦の決勝が行われ、テレビ中継も予定されています。今回の特集を手に、観戦してみてはいかがでしょうか。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
試合速報・結果
  • プロ野球
  • Jリーグ
  • サッカー代表
  • 大相撲
  • 甲子園
  • ゴルフ
  • 大リーグ
  • Bリーグ
スポーツ情報メガ盛り メガスポ
ページの先頭へ戻る