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【回答者 塚越朱美弁護士】別れた夫に養育費減らされた

質問 5年前に前夫と離婚し、当時3歳だった子は私が引き取り、毎月5万円の養育費を支払ってもらっていました。ところが、先日、「転職して収入が減った。これからは毎月1万円しか払えない」と言われ、一方的に養育費を減らされてしまいました。どうしたらいいのでしょうか。

回答 夫婦が離婚した後、子どもと離れて暮らしている親は、子どもと一緒に住んでいる親に対し、子どもを育てるために必要な費用として、「養育費」を支払う義務があります。

 養育費が一方的に減額されたとのことですが、養育費の額が家庭裁判所の調停や審判などで決められた場合や、公正証書での合意がある場合には、養育費の減額を認める双方の合意や家庭裁判所の審判があるまでは、相手方の給与や預貯金を差し押さえるなどの強制執行手続きを申し立てて、未払い分を取り立てる方法が考えられます。

 また、家庭裁判所の調停や審判がある場合には、「履行勧告」や「履行命令」をしてもらうという方法もよいでしょう。「履行勧告」とは、家庭裁判所が相手方に対して直接、電話等で支払いを促してくれるもので、「履行命令」とは、家庭裁判所が相手方に対して約束を守るよう命令をする制度です。

 これらの制度は複雑な手続きが不要で、特に「履行勧告」は費用もかからないため、当事者の方にとっては使いやすい制度となっていますが、あくまで任意の支払いを求めるものですので、法的な強制力までは与えられていません。相手方が任意に履行しない場合には、強制執行を検討することになります。

 一方、養育費について調停や審判などの裁判手続きを経ておらず、公正証書もない場合には、当事者間での合意がなされていても、強制執行を行うことはできません。もっとも、いったん当事者間で養育費の額が合意された以上、転職などによって相手方の収入が減ったとしても、一方的に養育費の額を減らすことは許されず、相手方が家庭裁判所に「養育費減額調停」の申し立てをするまでは、当初の合意が有効となります。この場合は、養育費の支払いを求める民事訴訟や調停を起こすことが可能ですので、このような手続きをとることをおすすめします。

(つかごし・あけみ)

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