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南北会談再開 粘り強く対話の継続を 

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 韓国と北朝鮮はきのう、約2年ぶりとなる南北会談を開いた。

 両国は平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックに積極的に協力していくことで合意した。北朝鮮は選手団、応援団を派遣することを正式に表明し、韓国側は合同での入場行進などを要請したという。

 軍事的な緊張を解消しなくてはならないとの見解でも一致し、共同報道文には軍事当局者会談を開催することが盛り込まれた。

 平和の祭典である五輪開催を前に、両者が歩み寄った意義は小さくない。

 ただ、韓国が非核化に向けた対話の再開を提案したのに対し、合意には至らなかったとみられる。

 会談はこれで終わりにしてはならない。対話が途切れてしまえば、軍事的緊張は一段と高まる。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は緊張緩和に向けて真摯(しんし)な姿勢を見せるべきだ。

 韓国も粘り強く対話を重ね、非核化の糸口を探ってほしい。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は昨年7月、東西ドイツ統一の象徴の地、ベルリンで演説し、北朝鮮に対して同様の提案をした。だが、北朝鮮は完全に無視した。

 それどころか、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を繰り返し、6回目の核実験まで行った。

 国連の経済制裁が格段に強化され、米軍も軍事的な圧力を高めている。北朝鮮は、当時と状況が大きく変わっていることを再認識しなければならない。

 一方、韓国も北朝鮮の意図を慎重に見極める必要がある。

 正恩氏の本当の狙いは、平昌五輪の成功ではあるまい。新年の辞では、米韓合同軍事演習の延期ではなく、中止を求めていた。核・ミサイル開発のための時間稼ぎとの見方もある。

 韓国側が五輪にのみ目を奪われると、制裁実施で足並みをそろえてきた国際社会の結束を乱すことになりかねない。

 トランプ米大統領の発言は振れ幅が大きいが、北朝鮮が核放棄に向けた行動を示せば、正恩氏と電話で直接会談する考えも示した。米国を巻き込み、対話の道が開かれることを期待したい。

 気がかりなのは圧力一辺倒の日本の対応である。北朝鮮の五輪参加を歓迎しつつも「北朝鮮側が政策を変更することを示すのが大事だ」(菅義偉官房長官)とさらなる圧力強化の必要性を強調する。

 拉致問題も対話なしには、解決できない。より柔軟な姿勢が求められよう。

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