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米軍ヘリ不時着 放置できぬ異常事態だ

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 沖縄で米軍普天間飛行場に所属するヘリコプターの不時着が続けて発生した。現場近くには、それぞれ住宅やホテルがあった。

 昨年12月、飛行場に隣接する普天間第二小学校に大型ヘリから窓が落下した事故も記憶に新しい。

 米軍の安全軽視の姿勢は一向に改まらず、事故やトラブルが頻発する異常事態を招いていると言わざるを得ない。これ以上、現状を放置してはならない。

 防衛省は在日米軍に対し全ての航空機の安全点検を要請した。米軍は直ちに全機の運用を停止し点検を行う必要がある。

 さらに、人員や装備、訓練などあらゆる角度から安全性の検証を行い、納得のいく対策を日本政府と沖縄県に提示すべきだ。

 8日午後にAH1攻撃ヘリが不時着した読谷村(よみたんそん)の現場はホテルの敷地から250メートルの場所だった。

 同じ日の午前中、その2日前にうるま市の伊計島(いけいじま)に不時着したUH1ヘリをCH53大型輸送ヘリがつり上げて撤去したばかりだった。伊計島の現場も住宅から100メートルしか離れていない。

 CH53も昨年10月の炎上事故や普天間第二小への窓落下を起こした機種であり、つり上げ輸送自体が住民の不安を増幅させた。

 AH1がきのう朝、早々と現場を飛び立ち普天間に戻ったことと併せ看過できない。

 翁長雄志(おながたけし)知事は「県民が日常的に危険にさらされている。日本政府は当事者能力がなく、恥ずかしさを感じてもらいたい」と述べ、政府を批判した。

 米軍から原因についての十分な情報開示がないまま飛行再開を容認してきた政府の姿勢も、厳しく問われよう。

 マティス米国防長官はきのう、小野寺五典防衛相に電話で謝罪を伝えたという。小野寺氏が抜本的な安全対策を求めたのに対して「重要な課題としてしっかり取り組んでいきたい」と述べた。

 その言葉をポーズだけで終わらせないよう、厳格に検証するのが政府の責任である。

 普天間に駐留する米海兵隊に対しては、北朝鮮情勢の緊迫によって訓練が激化し、隊員の疲労につながっているとの指摘もある。

 事実なら、ただでさえ米軍基地の重い負担を背負わされている沖縄県民が、一層の危険と隣り合わせで暮らしていることになる。

 まだ人命に関わる大惨事が起きていないのは単なる偶然にすぎない。このことを日米両政府は改めて認識すべきだ。

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