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【帯広】染みるだし 心もぽかぽか

 帯広の繁華街。レトロな雰囲気の恵小路に、大きな看板を掲げた「元(げん)」がある。刺すような寒さの中、だしの香り漂う店内に駆け込むと、大将の佐藤元(はじめ)さん(46)が優しい笑顔で迎えてくれた。

 釧路出身の佐藤さんは、札幌のホテルなどで和食を学び、縁あって帯広へ移住。3年前に「元」をオープンさせた。

 まずは冷えた体を温めようと、冬季限定の「元風おでん」をお任せで盛り合わせてもらう。カツオと昆布で取った澄んだだしがよく染みている。自家製のがんもは、ふっくら軟らか。卵は黄身が白い音更産の「米艶(こめつや)」を使用。道産米や米ぬかなどを配合した餌で育てた鶏の卵で、甘みがあり濃厚な味わいだ。

 次に、常連客に人気の「自家製さばスモーク」をいただく。塩をして3時間置き、一晩寝かせてから桜とブナのチップで40分ほどスモーク。脂の乗った肉厚のサバが芳醇(ほうじゅん)な香りをまとい、思わず日本酒が欲しくなる。

 「活たこ石焼」は、日高や留萌などのミズダコを石鍋で軽く焼いて食べる。火を通すことで甘みが増し、刺し身とはまた違った食感が楽しめる。

 この日のおすすめメニュー「自家製黒豆チーズ」も面白い。道産黒豆が入ったチーズで、生クリームと豆のゆで汁を加えているため、甘くて和風スイーツのよう。

 てきぱき動いていたママの優子さん(36)が、「箸置きも食べてみてくださいね」と声を掛けてきた。南茅部のだし昆布だと言う。口に入れると、じんわりとうま味が広がる。さりげない気遣いが心憎いではないか。

 身も心もぽかぽかだ。こんな店で暖まれるなら、寒い季節も悪くないと思えてきた。

<メモ>
 「炙旬肴 元」は帯広市西1南10。(電)0155・26・7778。営業時間は午後5~11時(10時30分ラストオーダー)。日曜定休。60席(禁煙席なし)。駐車場なし。

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