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さびつく鉄路、進まぬ地元協議 JR日高線不通から3年

 JR日高線鵡川―様似間(116キロ)が高波被害を受けて不通となり、7日で丸3年。被災箇所は復旧されないまま線路が赤くさびつき、日高管内沿線7町はJR北海道から廃線を求められている。首長らは代替交通案を模索するが、それぞれの思惑は異なり、協議の先行きは不透明。地元では、鉄路存続とバス転換容認の市民団体が入り交じる。

 「また被害に遭うのでは」。静内地方自動車整備協同組合の武田哲幸理事長(68)は不安を隠せない。昨年12月下旬の暴風雪で、新ひだか町の線路沿いでは、崩れたコンクリート製護岸を高波が乗り越え、水たまりができていた。同組合の自動車検査場はそこから約20メートル。2016年夏の台風10号では検査場まで浸水し、壁や内部の破損で被害額は約4千万円に達した。

 武田さんが納得できないのは、道路沿いの護岸は国の交付金で太く頑丈に造られているのに、線路沿いはJRが自前で工事を行わなければならないことだ。検査場周辺では、高波で倒壊した護岸がそのまま放置され、残った護岸に幾筋もの亀裂が走る。

 日高線は急峻(きゅうしゅん)な崖の脇と海岸線の間を縫うように走る。3年前の高波被害で盛り土が流出した厚賀(あつが)(日高町)―大狩部(おおかりべ)(新冠町)間は、2004年度から11年間で108件の災害が発生。昭和初期に造られた護岸が多く、路盤はもろい。新冠町の鳴海修司町長は「廃線後の海岸保全をどこが担うかはっきりとしない中で、JRの要請を受け入れることはできない」と話す。

 地元の最大の不満は、被災箇所の復旧論議が廃線論議にすり替わったことだ。JR側は16年9月の沿線7町との協議で、運行再開の条件として年13億4千万円の維持費の負担を要請し、首長たちは「出せるわけがない」と猛反発。17年2月にはJR側が廃線、バス転換を提案し、沿線自治体の不信感は頂点に達した。

 7町はJRとの協議を中断し、活路を探るため昨年6月、コンサルタント会社に代替交通案の調査を依頼。調査結果を基に首長が膝詰め談判を続ける。

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