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民泊条例 平穏な環境守ってこそ

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 一般住宅に有料で客を泊める「民泊」の営業ルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)の6月施行に合わせ、道と札幌市が独自に条例制定の作業を進めている。

 条例素案は、部屋数の多い施設の営業を住宅地などで制限する内容だ。観光振興と平穏な生活の両立を図る上で妥当と言えよう。

 問題は、法整備より民泊ビジネスが先行している実態だ。

 札幌を含め全国各地で集合住宅の空き室などを利用した多くの宿泊施設がある。

 泊まり客が騒いだり、ごみ出しのルールを守らないといったトラブルが絶えない。

 国と自治体は事業者にルール順守を強く働きかけるべきだ。

 同時に、従来のホテルや旅館とすみ分ける形で、各地の生活や文化を体験できるふれあい民泊のような工夫をしてもらいたい。

 新法は、増加する外国人観光客の受け入れ先として、住宅の空き室を規制緩和で活用することを主眼とする。営業は年間180日以内で、宿泊者名簿の作成などを義務付け、苦情にも対応する。

 都道府県や保健所のある自治体は地域事情に応じ、条例で区域や営業期間を制限することができる。国と自治体には、緊密な協力関係が求められる。

 昨年、道と札幌市が示した条例の素案はほぼ同じ内容だった。

 家主がいる5室以下の施設は制限しないのに対し、家主不在や、6室以上を営む場合、小中学校付近や住居専用地域では、平日の営業が大幅に規制される。

 家主が本当にいるかどうか確認する方法などが依然として課題だ。住民の意見を反映させ、今後一層議論を深める必要がある。

 札幌市によると、市内で約1400の民泊物件がインターネットで紹介され、大半は現行の旅館業法の許可のない違法施設だ。

 昨年2月以降、相談窓口には150件以上の苦情が寄せられた。46件は営業を中止させたが、氷山の一角にすぎない。

 こうした施設が新法施行時に届け出れば、問題解決につながるが、不安は残る。

 短期賃貸マンションを装った、無届けの施設などが懸念される。規制が及びにくい外国の仲介サイトがこれら違法物件を紹介する可能性も指摘されている。

 道と札幌市は、悪質なケースでは立ち入り権限などを生かし、厳重に監視しなければならない。住民の声にじっくり耳を傾け、民泊の理想像を探ってほしい。

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