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<働く@北海道>北海道経済の課題を考える 深刻化する人手不足

 生涯働く地域として、道内学生の間で最も希望が多いのは「北海道」と言われている。いま、大学3年生らの就職活動が3月に解禁されるのを前に、企業や業界を研究するイベントが道内でも盛んに行われているが、ちょっと視野を広げて考えてみよう。北海道が直面している基本的な経済課題は何だろうか。道庁で地域活性化政策を担当している今井太志・地域づくり担当局長に聞いてみた。(道新夢さぽ取材班 青山実)

■人口減ペース 全国以上

 ――これから北海道で働くときに、念頭に置くべき課題は何でしょうか。

 産業面で言えば、最大の課題は人手不足だと思います。数字的には例えば1人の求職者に対する求人数を示す「有効求人倍率」でみると、道内の場合、2016年度は1.04倍と年間では初めて1倍を超え、バブル期よりも人手が足りない状況になりました。月別でも直近の昨年11月は1.18倍で、建設関係など広い職種で人手不足が進行していることが分かります。

 ――その傾向は長期的に続くのでしょうか。

 続くと思います。国立社会保障・人口問題研究所などの推計によると、道内の15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」は25年に今より42万人減り、40年には106万人が減る見通しです。北海道の場合、全国を上回るペースで人口減少や少子高齢化が進んでいることが背景にあります。今でも既にさまざまな分野で支障が生じており、10年後、15年後にはさらに大きな問題になるでしょう。

 ――どのような改善策が考えられますか。

 多様な人材が活躍できる仕組みや働きやすい環境をつくり、新たな生産性の向上策を生み出す必要があります。多様な人材の活躍では、UターンやIターンなど道外の若い人材の誘致や外国人留学生の道内企業就職を促すことなどが考えられます。働きやすい環境づくりでは、一例として女性の就業率が全国に比べて低いことから、仕事と子育て・介護を両立できる環境を整えることが大切です。生産性の向上では、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ロボットなどを活用し、省力化と所得増も実現していくビジネスモデルや産業構造に変えていくことが重要です。

■挑戦する若者を応援へ

 ――道内を見渡したとき、希望を持てる動きはありますか。

 人材誘致の面で明るい兆しが出ています。転入が転出を上回る「社会増」は14年が15自治体だったのが、16年は24自治体に増えました。上士幌町(十勝管内)や厚真町(胆振管内)が良い例で、就業・起業支援などを積極的に行って町外から有為な人材の誘致に成果を上げています。道としても人手不足の改善も見据えて「北海道働き方改革推進方策」を策定し、本年度から進めています。先ほど挙げた改善策はその例です。

 ――若い人たちにとってこれからどんな時代になっていくのでしょうか。

 社会全体では挑戦心のある若い人を応援する機運が高まるでしょう。ぜひ、自分自身を磨く努力を続けて、新たなチャンスをつかんでほしいと思います。

 <略歴>いまい・ふとし 1972年、新潟県長岡市生まれ。東大法学部卒、米ミシガン大学公共政策大学院修了。95年自治省(現総務省)入省。同年道庁に出向。97年自治省に復帰し、2003年に再度道庁へ出向。17年から道総合政策部地域創生局地域づくり担当局長。45歳。

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