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泊原発再稼働 今後どうなる 防潮堤建設に相当の年月

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 Q 北海道電力泊原発(後志管内泊村)の再稼働審査は2018年以降、どうなりそうですか。

 A 東京電力福島第1原発事故の反省から原子力規制委員会が新たにつくった安全対策の基準「新規制基準」に、泊原発が適合しているかを調べる審査が長引いています。安全評価の前提となる地震の想定が定まっていないのが原因です。

 Q 具体的には。

 A 泊原発が立地する積丹半島西岸沖の海底活断層が地震活動を起こした場合の影響を検討しなければなりません。北電は従来、活断層の存在そのものを否定してきましたが、規制委は17年3月の審査会合で、海底地形の状況などから、活断層を想定すべきだと北電に指示しました。北電は、活断層がずれ動くさまざまなパターンを仮定して、泊原発がどの程度の揺れに襲われるかを調べていますが、データをそろえるには時間がかかりそうです。

 Q ほかの課題は。

 A 泊原発の敷地内に存在する11本の断層を巡り北電は従来、約30万年以上前のもので今後活動する可能性は低いと主張してきましたが、揺らいでいます。地層の年代を推定するために北電が用いている火山灰データの信頼性が乏しいと規制委に指摘されたのです。

 Q 敷地内に活断層があればどうなりますか。

 A 断層のうち1本の真上に1号機や2号機の重要施設があることが以前から分かっており、これが活断層であれば再稼働はできません。全国には原子炉直下に活断層があることが指摘されて廃炉が濃厚になった原発もあります。規制委は、泊原発がただちに立地に不向きな状況になるとはみていませんが、周辺の地層を徹底して調査するよう北電に求めており、規制委幹部は「審査をサイコロゲームに例えると振り出しに戻った」と話しています。

 Q 再稼働はいつになりますか。

 A 北電は17年10月、福島第1原発事故後に整備した津波防潮堤を新たに別に建設する方針を公表しました。強い地震に襲われた場合、敷地が液状化し、防潮堤が沈下する恐れがあるためです。現在の防潮堤建設には2年以上かかっており、固い岩盤にくい打ちする新防潮堤の建設にも相当の年月がかかる見込みです。審査が順調に進んでも、再稼働は数年先になるでしょう。

 Q それでも再稼働は必要ですか。

 A 泊原発は12年5月に全3基が停止し、今年6年目を迎えます。「原則40年」の運転期間は日一日と短くなり、安全対策費などのコストが膨らんでいます。道内は風力などの再生可能エネルギーが今後も拡大する一方、電力需要は減り続けています。泊原発が再稼働できる時には電力需給の環境が大きく変化しており、原発の必要性を含めて議論が必要になる可能性があります。(東京報道 細川伸哉)

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