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年末の株高 日銀の支え、もういらぬ

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 東京株式市場の日経平均株価は、今年最後の取引となる大納会で2万2764円の終値をつけ、年末の株価としては26年ぶりの高値水準となった。

 今月11日には、バブル経済崩壊後の最高値を更新しており、その流れのまま1年を締めくくった。

 年間を通して株式市場の活況が続いた中で、違和感を拭えないのが、日銀による上場投資信託(ETF)の大量購入である。

 ETFは複数銘柄の株などをひとまとめにした金融商品で、「異次元緩和」の一環として年間6兆円を購入している。

 上場企業は9月中間決算で過去最高益を更新し、日銀が株価を下支えする意味はもはやない。

 そうであれば、市場の価格形成をゆがめる「官製相場」は百害あって一利なしである。日銀は早急にETF購入を見直すべきだ。

 昨年末の日経平均株価の終値は1万9114円で、1年間で3600円を超す上昇となった。

 今年は世界的な景気拡大を背景に米国やドイツ、英国などの株式市場も過去最高値を更新した。

 年末にはトランプ米政権が推進する法人減税などの税制改革法が成立した。これは米国に現地法人を持つ日本企業の利益の押し上げにつながる可能性がある。

 来年の株価も上昇基調を維持するとみられており、日銀がETF購入を続ける理由は乏しい。

 そもそもの購入の名目は「リスク資産の買い増し」である。

 景気が悪化した際、株のような値下がりリスクのある資産の需要が極度に減らないように、日銀が買い支えるという意味だ。

 現在の市場環境がそれと正反対の状況にあるのは明白である。

 ETF購入は、個別企業の業績や将来性とは無関係に行われ、経済実態と異なる相場形成を助長しかねないという問題もある。

 日銀が購入したETFはすでに20兆円に達する。市場で売却する以外の「出口」はなく、やめるにしても株価への影響は大きい。

 購入縮小から売却までの計画について丁寧な説明をすべき時期に来ている。

 年末の株価は6年連続の上昇となったが、人びとの暮らしにプラスに働いている印象は薄い。

 利益が増えても内部留保を積み上げるばかりで、賃金を抑える企業が多いからだろう。

 家計が潤い、消費が回復すれば、結局は企業の恩恵にもなるはずだ。来年は、十分な賃上げを行い、働く人に還元してほしい。

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