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HAC初の女性パイロット岸さん「自分に続いてほしい」

 この冬、北海道エアシステム(HAC)に初めての女性パイロットが誕生した。東京出身の岸雪香(せつこ)さん(26)。副操縦士として機長を支えながら道内路線を飛び回る。世界的にパイロット不足が深刻化しているが、国内の航空会社に勤務する女性パイロットは全体の1%未満。「安全運航第一を心がけ、自分の存在で後に続く女性が出てきてほしい」と願いを込める。(報道センター 竹中達哉)

 「平常心で乗ることができた」。11月24日、副操縦士を任された初フライトを、岸さんはそう振り返る。乗客31人を丘珠空港から函館空港へ。その様子がHACのフェイスブックで紹介され、「友達から『おめでとう』と反響があり、実感が湧いた」とほほ笑んだ。

 飛行機好きの父の勧めで、パイロットを養成する法政大理工学部の航空操縦学専修に進んだ。大学の同期10人のうち女子は1人だけ。「中学、高校と女子校だったので最初は戸惑いが大きかった。同性の相談相手も欲しかった」。それでも、持ち前の明るさと仲間に恵まれ、専門的な勉強や実技をこなしていった。

 操縦免許取得後の大学4年の夏、同期2人を乗せて操縦かんを握った軽飛行機が着陸直前で横から突風にあおられた。それまでの実技と違い、教官が同乗していない中、着陸をやり直した。「そのまま着陸したら、事故を起こしていた。自分で飛ばす責任を感じ、人の命の重みを再認識した」

 父が札幌に単身赴任し度々訪れていたため、北海道は慣れ親しんだ土地だった。4月にHACに入社。シミュレーターや実際のフライトで訓練を重ね、1997年の会社設立以来初の女性パイロットとなった。オペレーション企画部担当部長の田村健さん(53)は「落ち着いて黙々と仕事ができる」と評価する。

 国土交通省によると、国内の航空会社17社のパイロット6389人のうち、女性はわずか50人(今年1月現在)。日本航空、全日空の大手が中心で、AIRDO(エア・ドゥ、札幌)にはいない。岸さんは「女性が増えれば、全体のパイロット不足を解消するベースになる」と期待する。

 お気に入りは函館発丘珠行きの便で上空から見る札幌の夜景だ。「パイロットに女性だからというハンディはない。努力を続けていきたい」と誓っている。

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