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命綱 また削られるのか 生活保護費見直しに受給世帯は悲鳴

 厚生労働省の審議会が14日まとめた生活保護費見直しの報告書には、生活扶助や「母子加算」の減額が盛り込まれ、道内の受給世帯からは「どうやって生きればいいのか」と悲鳴が上がった。一方で、大学や専門学校に家族が進学する際に世帯から生計を切り離す「世帯分離」の廃止は見送りに。世帯分離されると世帯の人数が減り、保護費の受給額が減る。関係者は「世帯分離を続ければ、進学を断念する子どもがいなくならない」と指摘する。

■生活扶助、母子加算下げ 暮らしぎりぎりなのに

 「裁判で争っている最中なのに、下げるなんて」。2013年から実施された生活保護費引き下げの取り消しを求める裁判の原告、札幌市北区の早月俊志さん(59)は「国は弱者の声を聞かないのか」と憤った。

 7年前にC型肝炎を発症。治療のため建築作業員の仕事を辞めた。貯金は1カ月ほどで底をつき、やむなく生活保護を申請。だが13年以降、保護費は月最大で約1万5千円減らされた。「生活保護を受けたくて受けているわけじゃない。ぎりぎりでやってきたのに」。14年、引き下げは憲法25条の生存権の侵害だとして、札幌地裁に提訴した。

 国は今回、さらに生活保護費のうち食費や光熱費をまかなう生活扶助について、最大13・7%引き下げる方針を示した。生活への影響が大きすぎるとの反発を受け、下げ幅を縮める検討に入ったものの、それでも最大5%引き下げる方向。

 早月さんの生活費は、保護費とアルバイト代を合わせて冬は月12万円ほど。節約のために1食だけの日も。もし保護費がもっと減額されたら…。「これ以上、どこを切り詰めればいいのか分からない」

 ひとり親世帯を対象にした母子加算についても、現在から最大2割程度引き下げられる可能性がある。「弱い者いじめだ」。旭川市で長男(16)と暮らす杉本仁美さん(50)は漏らす。

 専業主婦だった12年に離婚。働こうとした時、糖尿病を発症し、体力が落ちて働けずに生活保護を申請した。保護費は母子加算も含めて月14万8千円ほど。生活は苦しく、シャワーは3、4日に1度。スーパーではもやしなど割安な物だけを選び「本当は食べたい」魚売り場はいつも素通り。

 今回の保護費削減方針はニュースで知った。自宅は暖房を弱めていて寒く、毛布を2枚重ねても温まらない。「せめて暖かい部屋で暮らしたい」

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