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<J1残留の軌跡 2017コンサドーレ>上 ジェイ、連係深め得点量産

 「ナイス、シンジ(小野伸二)!」「グレートボール(素晴らしいパス)、ミンテ(金眠泰)!」―。3日後に第33節G大阪戦を控えた11月23日。札幌市西区の宮の沢白い恋人サッカー場で練習中、甲高い声が響く。周囲を盛り上げていたのは、元イングランド代表FWジェイだった。

 得点力不足に悩んだ前半戦を受け、クラブは7月、日本でのプレー経験があり、ゴール前で違いをつくれる選手として、元磐田のジェイを獲得。14試合10得点と驚異の決定力でJ1残留の立役者となったが、すぐにチームに溶け込んだわけではなかった。

 自己主張が強い上、当初はコンディションも上がっていなかったため、周囲と連係が合わないと声を荒らげていら立ちをあらわにする場面が多かった。2点リードしながら、自身が交代で退いた後に同点とされた9月の新潟戦では、試合後にロッカールームで怒りを爆発させたこともあった。

 だが、それも勝利への貪欲さゆえ。「最初はジェイの言うことを真に受けすぎた。ジェイも勝ちたいからいろいろ言うだけ」と兵藤。「ベテラン選手をはじめ、ジェイに『自分はこう考えている』と意見をぶつけられる人も多い。互いに考えのすりあわせができるようになったし、全員で意見を言い合えるメンタリティーがついてきた」

 ジェイはグラウンド上だけでなく、時にはクラブハウス内でホワイトボードを使って自身の動き出しを説明することも。コミュニケーションと連係が深まることで、ボールが合わなくてもジェイが親指を立ててパスの出し手をたたえるシーンが増えた。ジェイは「前にボールが出てくることが増えたし、チームメートが自分の動きを分かってきてくれている。(親指を立てるのは)ミスになっても、トライしたから『good job』(よくやった)という合図だよ」。

 チームに適応した10月以降は6試合で8得点。前線でボールを収めることで攻撃の起点としても機能した。早坂はジェイ加入後のチームについて、「(守備的なJ2仕様のサッカーから)J1寄りになった感じ。ジェイのところで時間をつくれれば、守備の時間も減る。そこがうまくはまっている」と話した。

 ジェイは札幌を、情熱的で温かなサポーターを抱えるイングランドプレミアリーグの古豪ニューカッスルにたとえ、「札幌はもっと大きなクラブになれる」とさらなる飛躍の可能性を口にした。


 札幌は5季ぶりのJ1挑戦となった今季、2001年以来2度目の残留を果たし、同年に並ぶ過去最高の11位でシーズンを終えた。残留を決めた原動力や来季の課題を探る。(渡辺史哉が担当し、3回連載します)

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