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防衛費揺らぐ「1%枠」 GDP比 米兵器購入増で突破も

 防衛関係費の膨張が続き、歴代政権が目安としてきた「国内総生産(GDP)の1%以内」の枠にとらわれるべきでないとの声が政府内で強まっている。北朝鮮の脅威の高まりを背景に、政府は2018年度の防衛費を過去最多の5兆2千億円程度まで増額する方針。GDPの1%はなお下回る見通しだが、トランプ米大統領は米国製兵器の購入増を要求しており、膨張は今後も続きそうだ。戦後日本の防衛費のあり方は岐路にさしかかっている。

■自衛隊、人員不足に懸念

 「防衛装備品は質、量とも十分に確保する」。安倍晋三首相は4日の参院本会議で、今後の購入拡充に意欲を強調。11月22日の参院代表質問では「防衛関係費をGDPと機械的に結びつけることは適切でない」と述べ、1%枠にこだわらない姿勢をにじませた。

 17年度の防衛費は当初ベースで5兆1251億円。GDPが伸びたため、GDP比は0・926%と前年度より下がったものの、金額は5年連続で増加した=グラフ1=。

 目立つのは、米国製装備品の購入の増加だ。第2次安倍政権発足以降の13~17年度の5年間で計1兆6244億円となり、その前の5年間と比べると約4・5倍=グラフ2=。防衛省は18年度予算の概算要求でも、新型の海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」取得などを盛り込んだ。

 さらに北朝鮮からの弾道ミサイルの飛来に備え、2基で日本全土をカバーする陸上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の導入も検討。本格的な導入となれば1基あたり800億円程度かかるという。

 トランプ氏は、11月の日米首脳会談後の共同記者会見で「日本が膨大な兵器を買うことが重要」と要求。首相は「さらに購入していくことになる」と応じ、今後も米国からの購入が増える可能性は高い。

 経済指標を目安とする「1%枠」はこれまで、防衛費膨張の歯止めとなってきた。1976年に国民総生産(GNP)の1%以内とすることが閣議決定されて以降、超えたのは4例。87年度に中曽根康弘首相(当時)が閣議決定を撤廃し、89年度まで3年連続でわずかに上回った。94年度に指標をGDPに変えてからは民主党政権時の2010年度の1・008%のみだ。

 政府は来年夏、19年度以降5年間の防衛費の指針となる中期防衛力整備計画をとりまとめる。官邸筋は「北朝鮮の脅威が高まっている今は好機。1%を大きく超えても国民から反発は出ない」と語る。1%枠の行方は不透明だ。

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