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<特産はスーパーフード>上 剣淵 国内産キヌア売り出す

 栄養価が高く、美容や健康にも良い食べ物を指す「スーパーフード」。1980年代、北米から広がった概念で、種子から雑穀や果物、海藻など範囲は広い。

 その一つに若い女性らの注目を集める南米アンデス高原原産の穀物「キヌア」がある。クセがなく、米や雑穀とブレンドして炊いて食べるのが一般的だ。上川管内剣淵町は国内で初めて特産化を目指し、2015年から栽培に取り組む。

 「キヌアがほしいという来場者が増えている」。11月26日、町内の観光牧場ビバアルパカ牧場でのキヌア脱穀体験会。牧場で栽培を担当する中田祥仁さん(28)は手応えを感じるという。

 玄米に比べ、タンパク質は約2倍、食物繊維は2倍以上、鉄分は3倍以上に達する。町はオリーブ油で炒めた後に水で炊き、サラダや野菜炒めにあえるレシピなどを提案し、PRする。

■ペルーとの縁

 きっかけは09年10月のビバアルパカ牧場の開業だった。これを契機に町が11年7月、アルパカの一大飼育地であるペルー共和国のパルカマヨ区と姉妹都市提携を結ぶと、日本キヌア協会の事務局長日高憲三さん(54)から打診が来た。「キヌアを作っては」

 当時の町農林課長村上仁さん(62)は「需要はある。育つかどうか分からないが、挑戦しようということになった」と振り返る。

 現在、国内で流通しているキヌアのほとんどが輸入品。けんぶちキヌア生産普及組合の高橋朋一組合長(40)は「国内産があるとは思っていない、消費者の意表をつきたい」。高橋さんは町内の14農家でつくる農産物販売会社けんぶちVIVAマルシェの社長だ。

■育て方手探り

 国内での栽培はほとんど例が無く、育て方は手探りが続く。高橋さんら3農家は1年目、30アールで作付けしたものの、全く芽が出なかった。2年目も同じ面積で作付け。国内で初めて種まきから収穫までの全ての機械化に成功し、225キロを収穫した。

 3年目の今年は作付面積を1・5ヘクタールに広げ、本格生産を目指したが、収穫を間近に控えた8月中旬、大量発生した害虫の被害に遭い、収量は予定の1割まで落ちた。マルシェとして来年2月からの販売開始を予定しているが、量は300キロにとどまりそうだ。

 商品は真空パックの小袋タイプとする。早くも東京の飲食店や食品メーカーなど20社ほどから「国内産があるならぜひ使いたい」と声が掛かる。生産者の一人、森武佑太さん(29)は「肥料、防除など栽培は試行錯誤。苦労は多いけど、技術は年々向上している」。若手農家たちが自信を深め始めている。(士別支局の山村麻衣子が担当し、3回連載します)

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