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平昌パラリンピックあと100日 ともに戦う

 平昌冬季パラリンピックは29日で開幕まで100日。「戦う」「支える」それぞれの立場で障害者スポーツの冬の祭典に挑む道産子らの今を取り上げた。

■新田のんの=女子座位 飛躍へ 用具の一体感追求

 雪が降りしきる上川管内東川町の旭岳温泉。女子座位の新田のんの(北翔大)は上り坂に悪戦苦闘していた。頼れるのは腕の力だけという過酷な種目。それだけに重要なのがシットスキーとの一体感だ。ところが今季新調した用具が体にフィットしない。「より速く、より力強く滑るために」と改良した部分がうまくいかなかったのだ。

 道庁、北翔大、岩見沢の社会福祉法人などが手を携えた「オール北海道」による産官学プロジェクトで、夏の間に協議を重ねて作り上げたシットスキーだ。

 膝下を固定する部分の角度を変えたのが裏目に出た。ローラースキーを付けて滑った陸上のテストでは良い結果が出たが、雪上では勝手が違った。

 日本代表候補が集まった11月下旬の全日本合宿。タイムレースではストックを折り、小林卓司コーチに後ろから押してもらった。まさに「泣きっ面にハチ」。それでも明るく前を向くのが新田だ。「シットスキーの調整がうまくいけば、きっと昨季よりも速く走れると思う」と笑顔で話す。

 夏のトレーニングは体力とストックを突く技術の向上に費やした。もともと没頭していた車いすマラソンでは使わない筋肉も付いた。昨季はW杯で距離とバイアスロンの計4戦で4位が3度。小林コーチは「昨季よりも数段上のレベルに行く可能性を秘めている」と言う。

 シットスキーは現在、改良中だ。今季のW杯は12月上旬に開幕する。「いい成績を出してパラリンピック出場を決めたい」と新田。夏の間に蓄えたエネルギーを、爆発させる。(佐藤大吾)

■藤田佑平=視覚障害ガイド 呼吸合わせ選手の目に

 脚光を浴びることは少ないが、パラスポーツでは障害のある選手を支える存在が欠かせない。ノルディックスキー距離の視覚障害で、高村和人(盛岡視覚支援学校教)のガイドスキーヤーを務める藤田佑平(早大大学院、旭大高出)は、選手の「目」となってコースを誘導するのが役割だ。二人三脚で平昌パラリンピックを目指している。

 2人の兄の背中を追うように中学から距離の選手として全国クラスで活躍した。だが、旭大高では伸び悩み、自身の悔しい経験から将来は指導者になる道を選択した。高村のガイドスキーヤーを依頼されたのは2年前で「世界レベルを体感できる貴重な機会」と引き受けた。

 35歳の高村は病気で視力が徐々に落ち、今は明暗が分かる程度。雪山は真っ白にしか見えない。25歳の藤田は体に小さなスピーカーをつけて「右、右」などと声を出し、呼吸を合わせて年長の高村を先導する。声が風で聞こえなくなるほどスピードが出る下り坂ではストックをつかませて滑り降りる。コースを外れれば滑落の恐れもあり「命を預かっている」と大きな責任を感じるという。合宿では同部屋で寝食を共にし、高村は「彼がいなくては競技ができない。不可欠な人」と信頼を寄せる。2人で挑む大舞台は来年3月に迫る。子どもの頃に五輪出場の夢を抱いていた藤田は「ガイドも選手。僕にとってはもう一つの五輪」と大会を待ち望んでいる。

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