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障害者事業所 安心できる就労環境に

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 一般就労の困難な障害者が働く「就労継続支援A型事業所」の廃業が全国で相次いでいる。

 岡山、香川両県では同一グループの運営する計7事業所が閉鎖されて約280人が大量解雇される事態となっている。

 道内でも本年度の廃業が14事業所と過去最多のペースで増えており、事業収益が利用者の賃金総額を下回る「赤字」事業所が全体の76%を占めることも分かった。

 国の補助金頼みで参入した事業所が一部にあり、今春の支給要件の厳格化を受け、経営難に陥るケースが増加したようだ。

 悪質な事業所を締め出すのは当然だが、突然仕事を失った障害者を放置するわけにはいかない。

 A型事業所は福祉サービスを提供しており、利益を生むのが難しい側面もあろう。

 国や自治体は、障害者の再雇用先の確保を急ぐとともに、赤字事業所に対する支援策を検討する必要がある。

 A型事業所は、2006年施行の障害者自立支援法(現障害者総合支援法)で定められた。事業所は、障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上を保証する。

 国の支援が手厚く、雇用した障害者1人当たり1日約5千円が助成され、最長3年で最大240万円の給付金が受けられる。

 民間業者の参入が認められたこともあり、事業所数は全国で約3600カ所と、10年間で20倍以上増えた。障害者の法定雇用率は2%に過ぎず、A型事業所の役割は小さくない。

 問題なのは、補助金目当てで経営努力を怠ったり、労働時間を短くして賃金を抑えるなど、悪質な一部事業所の存在だ。

 厚生労働省は今年4月、補助金を障害者の賃金に充てることを禁じ、事業収入から捻出するよう求める省令改正を行った。

 この結果、廃業する事業所が続出したとみられる。

 そもそも、国の制度設計に甘さはなかったか、検証が必要だ。民間業者参入時の審査が不十分だったとの指摘もある。

 道などによると、赤字事業所は全道216カ所中165カ所に上り、各自治体へ経営改善計画書の提出が求められた。

 しかし、4割が未提出で、事業収入だけでやり繰りすることの難しさを物語っている。

 国や自治体は、A型事業所が抱える経営課題を洗い出し、障害者が安心して働ける環境づくりに努めてもらいたい。

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