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日ハム新球場 真駒内有力候補に 球団・道・札幌市に利点

 プロ野球北海道日本ハムファイターズの新球場を核とするボールパーク(BP)構想で、道立真駒内公園(札幌市南区)が建設地の有力候補に浮上してきた。公園内の屋外競技場が2026年冬季五輪・パラリンピック招致の会場候補地から外れ、札幌市がBP候補地として球団に提案できる条件が整いつつある。ただ、閑静な住宅地域の開発計画には土地利用の規制緩和などが必要で、市は慎重に検討を進める考えだ。


 「球団の意向に沿って決めていきたい」。札幌市の秋元克広市長は14日の記者会見で、真駒内公園を所有する道との協議を急ぎ、正式な候補地に加える方針を示す一方、「提案できるかどうか引き続き議論が必要」とも述べ、課題があることをにじませた。

 真駒内公園を候補地とするには所有者である道の同意と協力が不可欠だ。ただ、道は老朽化が進む築47年の屋外競技場「真駒内セキスイハイムスタジアム」の建て替えを財政難を理由に見送った。これにより、五輪スピードスケート競技の会場となる可能性は消え、逆に屋外競技場を取り壊してBPを整備する選択肢が生まれた。

 高橋はるみ知事は15日の会見で「(真駒内公園を提案するかどうかは)札幌市の責任だ」とした上で、「状況が整えばわれわれも協力する」と明言した。

 道や札幌市の関係者は「真駒内案は球団、市、道の3者にメリットがある」と口をそろえる。真駒内公園は球団が示す敷地面積などの条件を満たし、集客の上での立地条件も良い。道には、老朽化した屋外競技場を民間資金で新しい施設に建て替えてもらえる利点がある。札幌市にとっては日ハム球場の市外への移転を防げて、人口減が進む真駒内地区の活性化にもつなげられる―というわけだ。


 ただ、懸念材料は少なくない。球団は3万~3万5千人収容の球場に商業施設などを併設する構想を描くが、公園とその周辺は「住居専用地域」。現状では大規模な商業施設の建設は難しく、土地の用途変更をしたり、高さ制限などの規制を緩和したりするか、BP構想の内容を見直す必要がある。札幌市幹部は「騒音や自然環境への影響を少なくするなど、地域や住民への配慮も必要だ」と指摘する。

 交通アクセスも満点ではない。地下鉄南北線の真駒内駅からの距離は、東豊線福住駅から札幌ドームまでの2倍の2キロ前後ある。周辺の幹線道路は現在でもイベントが開催されると渋滞が起き、物理的に道路を拡幅できるかなども課題だ。

 一方、札幌市が4月に提案した2カ所の候補地の検討は現在、暗礁に乗り上げている。旧道立産業共進会場周辺(豊平区)は、球団が「周辺の土地利用がどうなるか見通せない」と否定的。北大構内(北区)は、市が「北大関係者の反対が根強い」と慎重だ。

 北広島市が提案した「きたひろしま総合運動公園」予定地は広さでは球団の希望にかなっている。ただ、既存のJR駅からは遠く、球団が求めている最寄りの新駅の開設については、現時点では見通せていない。

 球団は来年3月までに一定の方向性を出す方針。

■経済盛り上がるなら/生態系への影響心配 住民期待と戸惑い

 米国大リーグ流のボールパークは地域のにぎわいを生む一方、騒音や自然環境への悪影響などマイナス面も指摘されている。

 真駒内地区の人口はピーク(1985年)の3万4千人から3割減り、高齢化も進む。真駒内団地商店街振興会の山下晴男会長(64)は「人通りが増え地元経済も盛り上がるなら歓迎する」と話す。不動産関係者の間では「BPが整備されれば地価は上がる」との見方もある。

 ただ、公園をよく散歩する会社員阿部陽介さん(30)は「今もイベント時は一帯が混雑する。BPは要らないのでは」と戸惑う。自然保護活動に取り組む「真駒内・芸術の森緑の回廊基金」の小林保則代表(68)は「生態系への影響を考えると大規模開発は控えてほしい」と訴える。

 また、市内唯一の日本スケート連盟公認のスピードスケート競技場がなくなることに競技団体には異論もある。このため「住民や関係団体の意見を球団に伝える枠組みが必要だ」(市議)との声が出ている。(報道センター 十亀敬介、袖山香織)

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