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日中首脳会談 関係改善の歩み着実に

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 この流れを、着実に推し進めていかなければならない。

 安倍晋三首相がベトナムで中国の習近平国家主席と会談し、日中関係の改善推進で一致した。李克強首相訪日による日中韓首脳会談の早期開催でも合意した。

 加えて首相は、日中平和友好条約締結40年の来年を視野に、自身の訪中後の習氏訪日を提案。習氏も「首相の訪中や(首脳間の)往来を重視する」と応じた。

 第2次安倍政権発足後、日中首脳の会談は国際会議を利用した短時間の開催にとどまっている。

 北朝鮮問題に対処する上でも相互訪問による関係強化が必要だ。双方がアジアの平和と安定に責任を持ち、共通利益を追求する戦略的互恵の歩みを再出発させたい。

 首相はきのう、フィリピンのマニラで李首相とも会談した。日本の首相が一度の外遊で中国の首脳2人と会談するのは異例だ。

 共産党大会で権力基盤を固めた習氏は、対日関係改善の環境が整ったと判断したのだろう。

 しかし、双方には立場や思惑の違いも残っている。その一つが北朝鮮問題だ。

 首相と習氏は非核化への連携で一致した。だが、圧力強化で中国の協力を得たい首相に対し、中国側は国連安保理決議に基づく制裁を厳格に履行するとしつつ、対話重視の姿勢は変えていない。

 習氏は同じ日に韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談し、北朝鮮問題の対話を通じた平和的解決で一致。文氏の来月訪中で合意している。

 「圧力の日米」と「対話の中韓」のような構図に陥っては、解決はおぼつかない。圧力をかけつつ対話に引き込む戦略で足並みをそろえるためにも、早期の日中韓首脳会談実現は重要である。

 首相と習氏は、中国の経済圏構想「一帯一路」を含め、両国が地域の繁栄にどう貢献できるかを議論することでも一致した。

 気になるのは、日米が推し進める「自由で開かれたインド太平洋戦略」との関係である。

 それぞれを経済的な主導権争いにつなげてはなるまい。成長の利益を互いに享受できるように生かしていく発想が欠かせない。

 前提となるのは、「法の支配」の原則である。中国が責任ある大国を目指すのであれば、南シナ海の軍事拠点化のような覇権主義的行動は自制すべきだ。

 2国間には沖縄県の尖閣諸島問題も横たわる。偶発的衝突を防ぐ海空連絡メカニズムの運用に向けた協議も急いでもらいたい。

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