PR
PR

クロマグロ混獲に苦慮 漁獲上限大幅超過の函館・南茅部地区 伝統の定置網、魚選別困難

 【函館】函館市南茅部地区の定置網にクロマグロの小型魚(30キロ未満)が大量に掛かり、国際合意に基づく漁獲上限を守るため全国の定置網漁業者が操業自粛を求められている問題で、同地区の漁業者が対応に苦慮している。定置網は魚種の選別が難しく、最盛期の休漁は経営面で厳しい。来年からは漁獲上限超過に罰則が適用されることから、同地区で江戸時代から続く大謀網(だいぼうあみ)漁の存続を懸念する声も上がっている。

 「今日はマグロは入っていない。安心した」。7日午前3時、函館市南茅部地区で大謀網を運営する佐藤知寿さん(45)は出漁前、網に設置した魚群探知機を見て胸をなで下ろした。「マグロは今や、漁師にとって迷惑な魚なんだ」

 大謀網漁は同地区が道内発祥とされる大型定置網漁法。南かやべ漁協ではイカやサケ、ブリなどが中心で、クロマグロは主力魚種ではない。

 クロマグロの小型魚の資源管理は2015年に始まった。同地区では、第1管理期間(15年1月~16年6月)の水揚げ量は上限の3・5倍の181トン。第2管理期間(16年7月~17年6月)は、上限は上回ったものの54トンに減った。

■初日に上限突破

 ところが、第3管理期間(17年7月~18年6月)の今期は、初日の7月1日だけで上限の30・8トンを突破。9月28日から6日間は突発的な来遊で353トンを水揚げした。今月13日現在は上限の14倍の452トン。大量来遊について、道は「理由は不明。資源管理で近年、小型魚が増えていることも影響しているのでは」(漁業管理課)とする。

 北海道など20道府県は、定置網の漁獲量を共同管理している。同地区の大量の水揚げにより全体の上限も超えたため、水産庁は漁業者に操業自粛を要請。他府県から「(南茅部は)クロマグロ狙いで捕ったのでは」などの批判が出ている。

 地元漁業者は「(9月下旬~10月上旬は)小型魚が来ない時期で、魚群探知機はブリが大量に入ったような反応だったため、見分けが付かなかった」と意図的ではないことを強調。「網を開けばマグロ以外も逃げてしまう」とする。

残り:786文字/全文:1653文字
全文はログインまたはお申し込みするとお読みいただけます。
どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
道新おためし読みアンケート
ページの先頭へ戻る