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スナック王国

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ドアを開けると、カランカランと乾いた音。「いらっしゃい。早いのね」「課長がうるさくてさぁ、早々に逃げてきた」「ビールにする?」「うん」。いつもの席に座る。熱いおしぼりが気持ちいい。冷えたグラスを受け取って一口。「うまい。ママもどうぞ」▼創作である。だが、スナックの時間はおおむねこんなやりとりで始まるのではないか。カウンター越しにママとの会話を楽しみ、カラオケを歌い気軽に飲む。昨今はカラオケボックスの隆盛で、存在感の薄さを感じていたが…▼実は北海道は全国有数のスナック王国だった。先日の本紙夕刊が紹介していた。都道府県別の軒数は東京に次いで2位。市区町村別でもススキノを抱える札幌市中央区が2位と、西日本が優勢の中で健闘ぶりが光る▼面白いのは人口当たりの軒数で、地方のマチや離島が上位にくることだ。道内でも7町が全国50位内に入った。夜は娯楽が少ないというのもあるのだろうか▼居酒屋より落ち着いているが、見えを張る必要もない。調査した首都大学東京の谷口功一教授は、スナックは「地域の社交場」だと言う▼行きつけの店になじみのママ、いつもの酒に変わらぬ歌、顔見知りの客。こうした「安定感」が疲れた中高年を癒やすのだろう。もちろん「新規開拓」で居心地のよい店を探すもよし。きょうは金曜日。仕事を終えたら、いつもの店に行ってみようか。2017・10・13

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