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カタルーニャ 対話で独立問題解決を

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 観光都市バルセロナを州都とするスペイン北東部カタルーニャ自治州が独立問題で揺れている。

 住民投票で独立賛成票が90%を超えたことを受け、プチデモン州首相は「共和国として独立宣言する」と表明した。

 同時に、独立に反対するスペイン中央政府との対話のために、宣言の効力を数週間、凍結する考えを示した。

 一方的に独立に進むことなく、中央政府との対話を呼び掛ける姿勢は妥当である。強引なやり方は混乱を深めるだけだ。

 これに対して中央政府のラホイ首相は強硬姿勢を崩していない。州側が独立宣言を撤回しなければ、来週にも自治権停止の手続きに入る構えだ。

 中央政府は力で抑え込むようなことをすべきではない。双方が話し合いを尽くし、納得のいく結論を得るよう努めるべきだ。

 カタルーニャは古くから独自の言語と文化を誇ってきた。

 1930年代のスペイン内戦からフランコ独裁政権時代(39~75年)は抵抗の拠点となった。このためカタルーニャ語の使用が禁じられるなど徹底して弾圧された。

 独立への思いは以前からくすぶっていた。

 さらに国内総生産(GDP)の2割を生み出す豊かな州である。

 2010年前後の経済危機で中央政府が財政緊縮策を進めたことから、税金を多く納めているのに貧しい州に回され、自分たちのために使われていないとの不満もたまっていた。

 それが、住民投票の実施を後押ししたとも言える。

 ただ、投票をボイコットした住民も多く、投票率は43%にすぎない。独立が住民の総意といえるかは疑問が残る。

 憲法裁判所が違憲だとして差し止めを命じたのにもかかわらず、州が住民投票を強行したことへの批判もある。

 とはいえ、中央政府の有無を言わせぬやり方を見過ごすわけにはいかない。数千人の警官を派遣し、住民投票の投票所を封鎖するなどして千人近い住民が負傷した。

 カタルーニャも苦しい立場にある。混乱を避け、バルセロナから拠点を移すという企業が出始めている。独立しても、欧州連合(EU)に残留できる保証はない。

 中央政府は対話を拒否し、自治権を停止するような強硬手段を取るべきではない。事態の打開が難しければ、EUなど第三者の仲介も必要となろう。

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