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減関心

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「一つの事変が起こった時、ヒトはその事変に関心を持つ」。ところが「新たにまた別の事変が起こると関心の重心をたちまちそっちへ移行させてしまい、第一の事変への最初の関心を次第に薄めていく」。脚本家の倉本聰さんは東日本大震災に関し、自著「ヒトに問う」で指摘した▼そして、こうした反応を、日本人の「減関心」と憂う。震災に伴う未曽有の被害や被災者の痛みは忘却することなく、後世まで心に刻んでおくべき出来事だろう▼きのう公示された衆院選を巡っても、忘れるわけにいかないことがある。たとえば、森友・加計(かけ)学園問題だ。安倍晋三首相は8月の内閣改造の際「丁寧に説明する」と約束したが、真相解明の場となるべき臨時国会を冒頭で解散した。それまでに説明責任を十分に果たした、と言いたいようだが…▼安全保障関連法や「共謀罪」法など世論を二分する重要法について、十分な議論を求める民意を無視し「数の力」で押し切ったこともだ。憲法や消費税などの問題はもちろん、こうした政権運営の是非も選挙の争点の一つである。派手な政界再編劇ばかりに関心を奪われてはなるまい▼「人の噂(うわさ)も七十五日」と言われる。源平盛衰記は同様に「人の上は百日」とも言う▼言葉通りなら人々の関心は2カ月半から3カ月余りしか続かない。投開票日の22日は内閣改造から80日目だ。「減関心」には、まだ早い。2017・10・11

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