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東川で撮る夏リアルに 映画「写真甲子園」11月公開

 写真のまち・上川管内東川町が毎年開催している全国高校写真選手権大会(通称・写真甲子園)を基にした映画「写真甲子園 0・5秒の夏」が完成した。参加者が「3日間の体験で人生が変わった」と口をそろえる謎に迫り、子どもたちの成長を描く。脚本も書いた菅原浩志監督は「24年続く写真甲子園のリアリティーを徹底的に追求した」と語る。全国より1週間早く、11月11日(土)に道内各地で公開されるほか、第30回東京国際映画祭(10月25日(水)~11月3日(金)(祝))で招待作品として上映されることも決まった。

■3度目で実現

 「こちらが出した条件は現地集合。にもかかわらず予選敗退して東川町へ来れなかった高校生たちが、この映画に出演して夢をかなえたい―と全国からたくさん応援に来てくれました」

 4日に札幌市内で行われた試写会。菅原監督は、今夏で24回目を数えた写真甲子園が、いかに全国の高校生に支持されているかをアピールした。会場には出演した札幌在住の若手女優中川梨花(19)の姿も。

 東川町は製作費を少なからず負担している。過去に2度、映画化の話が出たが、いずれも費用面の調整などがつかず頓挫していた。今回念願がかなったのは、松岡市郎町長が直接、札幌出身の菅原監督を口説いたことが大きい。

 当初、映画になるか疑問視した菅原監督の心をわしづかみにしたのは、高校生の必死な姿だった。見極めるために大会を取材すると、3人1チームで撮影ポイントを探して走り、より多く撮るためにも走っていた。連日、組み写真を選び、審査委員に作品の狙いをプレゼンテーションすることも求められていた。コミュニケーション能力が徹底的に要求され、もがく姿は人生の縮図のように見えた。

 それぞれの地元へも足を運んでみた。沖縄県のある高校の部員は、市販のカメラは1万5千回ほどシャッターを切ると、シャッターが故障することを知っていた。当たり前に部品を交換しながら使い続け「小遣いから修理費を出すのが痛い」とこぼしていた。

■審査員も本人

 菅原監督は、フィクションでもリアリティーを徹底的に追求する映画を製作すると決断。役者は全て高校生でそろえ、カメラ操作を半年間特訓した。沖縄チームは、撮影前年の2015年の優勝チームと顧問に出演を依頼した。

 撮影時期は、本物の大会期間にぶつけ、写真甲子園を戦う18チームと同じフィールドで、役者らでつくる映画班の18チームに撮影の腕を競わせた。

 「本物の会場があり、本物の審査委員がいるので、『はい、次は映画班の方の審査をお願いします』とやれた。おかげでリアリティーのある映画になったと感謝しています」

■高校生の気持ち満載 出演の中川梨花

 映画「写真甲子園」に出演した若手女優中川梨花に作品を見た感想を聞いた。

 東川町のお菓子屋さんや家具メーカー、農家の方などが多く出ていて、写真甲子園の様子が伝わるし、私たち高校生の気持ちがよく入っていると思いました。

 私は近く札幌を離れて、首都圏の大学の総合政策学部で学び始めますが、これは、地方のコミュニティー政策に興味を持ったからです。写真甲子園の映画に出演させてもらった経験も今後に生かせると思います。

 まだ写真甲子園を知らない人は多いと思います。この映画がきっかけになり、小学生や中学生が高校の写真部に所属して、東川町を目指してくれるようになったら、うれしいです。

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