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ビール共同輸送 北海道モデルの確立を

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 国内ビール大手4社が、札幌から釧路・根室方面に向けたビールなどの共同輸送を始めた。

 コンテナに商品を混載し、札幌―釧路間はJR貨物の列車で輸送するのが特徴だ。

 トラック運転手の不足という難題の克服に資するだけでなく、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量も減らせる。

 加えて、貨物列車で運ぶことは、経営が厳しいJR北海道の鉄路の有効活用にもつながる。

 共同輸送は、札幌圏を除いて人口密度が低い北海道に適した手段と言えよう。物流の「北海道モデル」として、さまざまな業界で工夫を重ね確立してもらいたい。

 取り組んでいるのはアサヒ、キリン、サッポロ、サントリーで、4社の共同輸送は全国初だ。

 札幌貨物ターミナル駅(白石区)で商品をコンテナに積み込み、JR貨物が釧路貨物駅まで輸送。そこからトラックで釧根の卸業者に配送する。

 これにより、10トントラックの運行台数を年間約800台減らすメリットがあるという。

 半面、貨物列車はダイヤがあらかじめ決まっているといった制約を受けるほか、災害で運行が止まる恐れもある。貨物船を含む代替手段の確保など、安定輸送への努力が求められる。

 4社は、稚内や函館方面向けの共同輸送も視野に入れている。

 どんな輸送手段を組み合わせ、効率的、安定的に運ぶのか。今回の取り組みで見えてくる課題を検証し、改善に役立ててほしい。

 道内での共同輸送は、味の素、カゴメなど食品6社が昨年始め、薬品業界にも広がっている。今後は、業界の枠を超えた協力関係の構築も必要だろう。

 今回のビールの共同輸送で注目したいのは、輸送経路の大半を貨物列車で運ぶ点だ。

 人手不足の早期解消が見込めない中、トラック輸送から大量輸送機関である鉄道や海運に転換する「モーダルシフト」は全国的に強まると見られている。

 道内では、鉄道による大量輸送の典型が、北見方面を結ぶ“タマネギ列車”である。

 ところが、JR貨物の営業線区のうちタマネギ列車が走る石北線をはじめ根室線、室蘭線の一部は、JR北海道が単独での維持が困難とする路線に含まれる。

 人だけでなく、大量のものを運ぶことで鉄路の役割を高める。そんな視点からも、新たな物流のあり方を模索したい。

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