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「単なる自衛隊明記ではない 危険な改憲案どう伝えるか」 学者、弁護士ら戦略議論

 12日の自民党改憲推進本部で議論された9条に自衛隊の存在を明記する改憲案をめぐり、道内の憲法学者や護憲団体関係者が阻止のための戦略づくりに頭を悩ませている。「現状を追認するだけ」と主張する安倍晋三首相や自民党に対し、「軍事組織が書き込まれれば、憲法の平和主義そのものが変質する」と反発する学者ら。「単なる自衛隊明記ではなく、想像以上に危険な改憲案だと伝えたい」と奔走する。

 「自衛隊を明記したら何が変わるのかを示さなければ」「この書き方で分かるか」「説得力はあるか」

 6日夜、札幌市内の会議室に道内外の憲法学者や弁護士ら約10人が集まり、激しい議論を交わしていた。自衛隊明記の9条改憲を阻止するための「戦略会議」。秋にも反論集を出版しようと、原稿を持ち寄った。

 首相は、戦争放棄や戦力不保持をうたう9条1項、2項は「変えない」と強調。自民党内では、9条の後に「前条の規定はわが国を防衛するための必要最小限度の実力組織として自衛隊を設けることを妨げない」などとした「9条の2」を加える案が浮上している。

 会議は冒頭から熱が入った。名古屋学院大の飯島滋明教授(憲法)は「現在の自衛隊は、集団的自衛権を行使できる安全保障関連法下の自衛隊だ」とし、「その存在を憲法に明記するということは、集団的自衛権行使や安保法制にも、合憲の『お墨付き』を与えることになる」と指摘した。

 室蘭工大の清末愛砂准教授(同)も「この9条の2の書き方は、9条1項、2項の制約を受けない『例外』的存在として自衛隊を扱うということ。1項、2項が死文化してしまう」と主張。北星学園大の岩本一郎教授(同)は「自衛隊が憲法で位置づけられれば、これまで任務拡大のたびに、自衛隊の憲法上の解釈という難しい説明を求められた政府の説明責任が軽くなる。任務拡大に歯止めが掛からなくなる」と強調した。

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