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発達障害の支援 社会全体で切れ目なく

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 厚生労働省は来年度から、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害がある人の就労支援を強化する方針だ。

 ハローワークに専門家を置き、就職準備から職場定着までサポートするのが柱である。

 近年、実態が徐々に知られるようになってきた発達障害を巡っては、幼少期や学校教育での支援態勢は整えられつつあるものの、社会人への対応が遅れていた。

 社会に出た途端に支援が途切れ、自立に支障をきたすとしたら、看過できない。

 行政、企業、市民が一体となって、困難を抱える人が身近にいる可能性に気を配り、切れ目なく支え続ける必要がある。

 発達障害は、気持ちを読み取るのが困難な自閉症やアスペルガー症候群、読み書きなどが極端に苦手な学習障害、気が散りやすい注意欠陥多動性障害などの総称だ。

 外見からは分かりづらく、厚労省によると、発達障害の人は疑いを含めて約700万人に上る。

 昨年、発達障害者支援法が11年ぶりに改正され、社会の責任で支援を行うことが盛り込まれた。

 学校では、通常学級で学びながら、感情のコントロールなどの指導を受ける「通級指導」が広がり、成果を上げている。

 入試での時間延長などの配慮、大学生活の支援も始まった。進学後も指導内容を引き継いで支援する流れになっている。

 就労支援は、その延長だが、現状は十分とは言えない。

 大人になって障害に気づく人もいる。職場で孤立し、早期離職に追い込まれたり、うつ病にかかったりする懸念がある。

 厚労省は、まず13都道府県に専門知識と経験を持つ「雇用トータルサポーター」を配置し、学生へのカウンセリングや、他の支援機関への橋渡しを行う。

 各地の発達障害者支援センターにも出向いて相談に乗り、企業に受け入れのノウハウを教える。

 各労働局は、職場での発達障害の理解者となる「しごとサポーター」の養成も始めた。

 悩みを分かち合うため、家族会などの活動も後押ししたい。

 忘れてならないのは、偏見を恐れて障害を伏せたり、困難を自覚できない人もいる点だ。

 半面、周囲の配慮により円滑に仕事をこなす人もいれば、興味ある分野で才能を伸ばす人もいる。

 本人や家族の声に丁寧に耳を傾け、生きづらさを少しでも減らす地道な努力が大切だ。

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