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クロマグロ 資源管理は緩められぬ

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 乱獲で激減している高級魚クロマグロを末永く食べ続けるには、漁獲量が最多の日本が率先して資源管理を徹底する必要がある。

 日本周辺を含む北太平洋のクロマグロの管理を巡り、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会が開かれた。

 漁獲規制については、資源の回復見通しに応じて漁獲枠を増減させる日本の提案を修正の上、2年後にも導入することで合意した。

 案が採用されたとはいえ、直近1年間の漁獲枠を超過した日本に対する他国の不信感が払拭(ふっしょく)されたとは言い難い。

 国際協調を目指す立場からも、日本はまず現行の枠内に収めることに全力を尽くすべきだ。

 同時に、規制が道内をはじめ沿岸漁業者の経営に影響を与えぬよう、政府に配慮を求めたい。

 親魚の資源量は、2014年にピークのほぼ1割の1万7千トンに落ち込んだ。WCPFCは24年までに約4万1千トンに回復させる目標を掲げており、今会合で新たに34年の目標を約13万トンとした。

 日本の年間漁獲枠のうち小型魚は4007トンだが、16年7月~17年6月は300トン以上超過した。

 日本提案を巡っては、資源回復の条件をより厳しくした上で枠拡大を検討することで折り合った。

 厳格な管理を求める米国などは当初、枠の拡大に反対していたとされる。漁業大国日本に向けられる厳しい視線を重く受け止めなければならない。

 国内の漁業関係者からは、厳しい規制への不満や、枠拡大を求める声が出ているが、資源量は依然として低い水準にある。

 安易に増やしたりせず、現行枠を厳格に守り、それが資源回復にどうつながるのか、じっくり見極める姿勢こそが大切だ。

 漁獲規制が与える影響については、細心の目配りが必要だろう。

 とりわけ、海に網を固定する定置網では特定魚種だけ捕獲を避けるのは難しい。

 実際、道南の定置網漁では今年7月の数日間に小型のクロマグロが集中してかかり、1年分の道内定置網の枠を超えてしまった。

 その結果、漁の自粛を求められクロマグロ以外の魚種にも影響が広がれば、死活問題になる。

 漁業者側の自助努力ともに、漁獲が超過した地域と枠に余裕のある地域で相殺するといった柔軟な運用も欠かせない。

 定置網に入り込んだ魚のうちクロマグロだけを逃がす技術開発にも期待したい。

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