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韓国6都市、LCC計画続々浮上 市場急拡大、競争激化も

 韓国で地方都市を拠点とする格安航空会社(LCC)を新たに設立する動きが広がっている。LCC利用客の増加を背景に6カ所で計画が持ち上がっており、地方自治体や地元企業が主導する例が目立つ。大手航空会社に頼らず、自ら交流人口を増やして地域を活性化させる狙いだが、競争激化を懸念する声もある。

 LCC事業の開始を目指しているのは、韓国中部・慶尚北道浦項(キョンサンプクトポハン)市に本社を置くエアー浦項など6社。全社の計画が実現するかは不透明だが、中部・忠清北道清州(チュンチョンプクトチョンジュ)市のエアロKと東北部・江原道襄陽(カンウォンドヤンヤン)郡のフライ襄陽は既に韓国国土交通省に事業免許の取得を申請しており、近く可否が示される見通しだ。

 エアー浦項には、慶尚北道(人口270万人)や浦項市(52万人)などが出資。11月にも50席以下の小型機で浦項―金浦(キンポ)(ソウル)線などに参入し、経営が軌道に乗った段階で、より大きな機材を使ったLCC事業を始める方針だ。既存の航空会社任せでは浦項空港の便数が増えないという不満が背景にある。浦項市公共交通課の金奎亨(キムキュヒョン)主務官は「地域住民への航空便の提供と、空港の活性化が最大の目的だ」と話す。

 現在運航している韓国のLCCも6社あり、その中には地方都市を拠点に成功した会社が既にある。南部・済州道(チェジュド)などが2005年に設立したチェジュ航空は毎日20往復する済州―金浦線を中心に、仁川(インチョン)―新千歳を含め計49路線に就航している。17年上半期の利用客は前年同期比24%増の493万人で、今後も増える見通しだ。釜山市が出資するエアプサンも業績を拡大している。

 背景には、LCCの認知度向上に伴う市場の急拡大がある。大手航空会社を含む韓国の年間旅客数は16年に初めて1億人を突破し、最初のLCCが運航を始めた05年と比べて2・2倍になった。国内線におけるLCCの占有率は57%に達している。また新千歳に就航しているチェジュ航空やエアプサンのように、各社は海外路線の需要も積極的に取り込むことで経営安定に努めている。

 ただ国際的に見ても韓国はLCCが多いため、今後は競争の激化も予想される。韓国国交省は今年から航空会社の財務状況に対する監督を強化し、経営基盤の弱い会社が乱立するのを防ぐ姿勢を打ち出した。韓国航空大学の許喜寧(ホヒヨン)教授は「需要は継続して増えている」として、LCC事業者が一定程度増えても直ちに供給過剰にはならないと指摘。一方で「競争はもちろん厳しくなる。経営が難しいLCCは吸収合併されるなど業界再編が起こるだろう」とみている。
(ソウル 幸坂浩、写真も)

 <ことば LCC> ロー・コスト・キャリアの略で、低価格が売りの航空会社を指す。機材の運用を効率化したり、荷物の預かりを別料金にするなどして、運賃をできるだけ安くする戦略を取っている。機内食などのサービスが運賃に含まれる伝統的な航空会社(フル・サービス・キャリア、FSC)と比べ、近年の成長が著しい。

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