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オスプレイ容認 国民よりも米軍優先か

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 これでは、ほとんど米軍の言いなりではないか。

 防衛省が、国内での飛行自粛を求めていた米軍の新型輸送機オスプレイについて、飛行再開を容認した。機体に欠陥がなく、安全な飛行が可能との米側の説明は「理解できる」という。

 オーストラリア東部沖での墜落事故は5日に起きたばかりだ。

 その詳細な事故原因や具体的な再発防止策が示されていない状況に変化はない。

 にもかかわらず、一転しての容認である。国民の不安を置き去りにして、米軍の都合を優先したと批判されても仕方あるまい。

 墜落事故後、日本政府は、飛行自粛に加え、事故原因の究明や再発防止策の徹底を求めたが、米軍は安全を確認できたとして、一方的に飛行継続を発表した。

 例によって、安全性の根拠は明らかにされていない。

 ところが、防衛省は、米軍が事故後、整備記録などを調べ、オスプレイに構造的な欠陥はないと認識し、運用手順を再度徹底させたため、安全飛行は可能だというのである。

 「米軍が安全と思うなら安全」と言うに等しい。要は、相手の言い分をうのみにしたにすぎない。

 防衛省が容認を発表したのは11日未明という非常識な時間だ。

 同日中にオスプレイ4機が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から米軍三沢基地(青森県三沢市)に移動した。

 早期の飛行再開を望む米側の意向に配慮したとみるのが自然だろう。これが国民の安全に責任を持つ政府の態度なのか。

 昨年末、空中給油訓練中のオスプレイが沖縄県名護市の沿岸部で大破した事故の際、米軍は6日後に飛行を再開し政府も容認した。同じことの繰り返しである。

 事故から約8カ月たつのに、いまだに米側から事故報告書は出されていない。忘れてならないのは、日本側がこの事故の原因究明に関与できないことだ。

 米軍の事件・事故の際、基地の外でも米軍に警察権を認める日米地位協定が壁になっている。政府は改定に取り組むべきだ。

 10日から道内で始まった日米共同訓練に、米軍はオスプレイを途中参加させる方針だ。

 事故が起きても、現状では日本の捜査機関は事故調査に手を出せない。なおさら、十分な情報開示が必要だが、米軍にも政府にも、その姿勢は乏しい。これでは参加を受け入れられるわけがない。

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