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米朝関係 挑発の応酬、即刻中止を
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 米国のトランプ政権と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権が、危険極まりない威嚇の応酬を繰り広げている。

 トランプ氏は「世界が見たこともない炎と怒りに見舞われることになる」と、北朝鮮に対して核攻撃も辞さない考えをほのめかす。

 一方、北朝鮮は、新型中距離弾道ミサイルで米軍基地のあるグアム島周辺の包囲射撃を検討している、と警告する。

 挑発の応酬が高じて偶発的な軍事衝突につながる恐れもある。

 双方とも頭を冷やさなければならない。日本をはじめ関係各国も緊張緩和に向け、最大限の外交努力をすべきだ。

 トランプ氏の発言は、北朝鮮が米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことへの危機感を表したものだ。

 米紙によると、米国防総省は「北朝鮮が核弾頭の小型化に成功し、保有する核兵器は最大60個」との分析結果をまとめており、これも踏まえたとみられる。

 だが万が一、米国が攻撃に踏み切れば北朝鮮の報復攻撃も予想され、甚大な被害は必至である。

 クリントン政権時代の1994年、米国は北朝鮮への軍事介入を検討した。しかし、米軍、韓国軍に加え、北朝鮮の民間人にも大量の死傷者が出るとの報告を受け、思いとどまった経緯がある。

 いま同様の事態となれば、被害はさらに大きくなりかねない。

 これに対して北朝鮮は、ミサイル4発をグアム沖に同時に撃ち込むことを想定しており、その場合、島根、広島、高知3県の上空を通過するという。

 北朝鮮も、現体制の崩壊につながるような軍事衝突は望んではいないはずだ。

 核・ミサイル開発にしがみつくのは体制維持のためで、核開発の放棄後、政権崩壊したリビアやイラクが念頭にある。

 トランプ氏の激しい言葉と裏腹にティラーソン国務長官はミサイル発射をやめれば、北朝鮮との対話を再開する考えを示している。現体制の転換も求めないという。

 まずはこの方向で両者が対話のテーブルに着けないものか。

 長崎の「原爆の日」である9日、核攻撃を示唆する言葉が飛び交ったことは断じて許されない。

 冒頭のトランプ氏の言葉は72年前、トルーマン大統領が広島に原爆を投下した後に出した声明を想起させる、との指摘がある。

 日本を含め、関係各国が連携し、一触即発の緊迫した状態から脱しなければならない。

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